日本地球惑星科学連合2025年大会

講演情報

[J] 口頭発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-GI 地球科学一般・情報地球科学

[M-GI30] 計算科学が拓く宇宙惑星地球科学

2025年5月27日(火) 13:45 〜 15:15 303 (幕張メッセ国際会議場)

コンビーナ:大淵 済(神戸大学)、牧野 淳一郎(国立大学法人神戸大学)、亀山 真典(国立大学法人愛媛大学地球深部ダイナミクス研究センター)、堀田 英之(名古屋大学)、座長:吉田 雄城(神戸大学)、亀山 真典(国立大学法人愛媛大学地球深部ダイナミクス研究センター)

13:45 〜 14:00

[MGI30-01] 「富岳」成果創出加速プログラム「シミュレーションとAIの融合で解明する宇宙の構造と進化」の進展状況と今後の計画

*大須賀 健1 (1.筑波大学)

キーワード:人工知能、宇宙、シミュレーション

「富岳」成果創出加速プログラム「シミュレーションとAIの融合で解明する宇宙の構造と進化」は、32の機関から110名以上の天文・惑星科学の研究者が参加する大規模プロジェクトである。この計画は、宇宙の大規模構造から銀河、星、惑星、ブラックホールに至るまでの多様な天体の形成と進化を解明することを目的としており、人工知能を活用することで、これまでにない高精度かつ効率的なシミュレーションの実現を目指している。

本プロジェクトは2023年度に開始され、2025年度を最終年度として進行中であり、現在までに多くの分野で重要な進展が見られている。例えば、ニュートリノ分布の進化を追跡するための6次元ブラソフシミュレーション、衝撃波中での粒子加速現象を解明するためのプラズマ粒子シミュレーション、ブラックホール降着円盤の歳差運動を研究するための一般相対論的輻射磁気流体力学シミュレーションに成功している。人工知能を活用した研究についても進展がある。例えば、超新星爆発が銀河の進化に与える影響を人工知能が担当する銀河進化シミュレーションに成功しており、また、光の分布を推定する機械学習モデルを取り入れたブラックホール降着円盤シミュレーションが進められている。さらに、水素の輝線の観測画像からX線の強度やスペクトルを推定するための機械学習モデルが開発されるなど、シミュレーション結果を観測の解釈に役立てる技術が確立されつつある。

本講演では、これらの研究成果を具体的に紹介し、今後の計画について議論する予定である。