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[MGI30-P07] 大気大循環モデルの解像度変更における水平拡散係数の調整
キーワード:大気大循環モデル、解像度変更、水平粘性係数、運動エネルギー散逸
スペクトル変換法による大気大循環モデル (AGCM) では,散逸過程として,風速などの変数の予報方程式に超粘性項を導入することが一般的である.この発表では,超粘性の次数を固定し,数値実験の解像度を変更した場合,拡散係数をどのように調整するべきなのかを,運動エネルギー散逸の観点から,理論的な次元解析と,Held and Suarez (1994) [HS94] の理想化された乾燥大気シミュレーションによって調べた結果を報告する.
簡単な仮定を課したエネルギー散逸に関する次元解析 (e.g. Iwayama et al. 2019) と,粘性係数と最大波数(切断波数,解像度と同値とする)での減衰時定数(e-folding time)の関係 (e.g. Jablonowski and Williamson 2011) から,切断波数が 1 より十分に大きい場合には,超粘性の次数に関わらず,切断波数を 2 倍にすると,減衰時定数を 2-2/3 〜 1/1.6 倍すれば良いことを示すことができる.
一方,HS94 実験による粘性係数は,三角切断の波数 170 もしくは 341 で得られたエネルギー・スペクトル分布を,Nastrom and Gage (1985) [NG85] が航空機観測から得たものに近いように調整し,そこから,切断波数を 2 倍,もしくは 1/2 倍していったときに,それぞれ,減衰時定数を 1/p 倍,もしくは p 倍しながら,経験的に調整した.結果は,断定的とはならなかった.1) 特に,三角切断の波数が 170 と 341 で NG85 に近い高波数の運動エネルギー・スペクトル分布が得られるかどうかという観点で判断すると,超粘性の次数が 2 の場合は p = 1.2,4の場合は p = 1.6,6の場合は p = 2.0,8の場合は p = 2.4 にするとより良い結果が得られた.2) 一方,低波数と高波数で異なるエネルギー・スペクトル分布の遷移が起こる波数が 40ー60 からあまり変化しないという観点で判断すると,どの超粘性の次数でも p = 1.6 でより良い結果が得られた.1) では次数が 4 の場合,2) では調べたどの次数でも,次元解析と Takahashi et al. (2006) の現実的な湿潤シミュレーションの結果と整合的である.
湿潤モデルへの拡張,解像度を固定して超粘性の次数を変更した場合の減衰時定数の調整方法などは,今後の課題である.
簡単な仮定を課したエネルギー散逸に関する次元解析 (e.g. Iwayama et al. 2019) と,粘性係数と最大波数(切断波数,解像度と同値とする)での減衰時定数(e-folding time)の関係 (e.g. Jablonowski and Williamson 2011) から,切断波数が 1 より十分に大きい場合には,超粘性の次数に関わらず,切断波数を 2 倍にすると,減衰時定数を 2-2/3 〜 1/1.6 倍すれば良いことを示すことができる.
一方,HS94 実験による粘性係数は,三角切断の波数 170 もしくは 341 で得られたエネルギー・スペクトル分布を,Nastrom and Gage (1985) [NG85] が航空機観測から得たものに近いように調整し,そこから,切断波数を 2 倍,もしくは 1/2 倍していったときに,それぞれ,減衰時定数を 1/p 倍,もしくは p 倍しながら,経験的に調整した.結果は,断定的とはならなかった.1) 特に,三角切断の波数が 170 と 341 で NG85 に近い高波数の運動エネルギー・スペクトル分布が得られるかどうかという観点で判断すると,超粘性の次数が 2 の場合は p = 1.2,4の場合は p = 1.6,6の場合は p = 2.0,8の場合は p = 2.4 にするとより良い結果が得られた.2) 一方,低波数と高波数で異なるエネルギー・スペクトル分布の遷移が起こる波数が 40ー60 からあまり変化しないという観点で判断すると,どの超粘性の次数でも p = 1.6 でより良い結果が得られた.1) では次数が 4 の場合,2) では調べたどの次数でも,次元解析と Takahashi et al. (2006) の現実的な湿潤シミュレーションの結果と整合的である.
湿潤モデルへの拡張,解像度を固定して超粘性の次数を変更した場合の減衰時定数の調整方法などは,今後の課題である.