日本地球惑星科学連合2025年大会

講演情報

[E] ポスター発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-IS ジョイント

[M-IS02] 地球科学としての海洋プラスチック

2025年5月26日(月) 17:15 〜 19:15 ポスター会場 (幕張メッセ国際展示場 7・8ホール)

コンビーナ:許 浩東(東京大学)、Irfan Tahira(Research Institute for Applied Mechanics, Kyushu University)、樋口 千紗(九州大学応用力学研究所)、磯辺 篤彦(九州大学応用力学研究所)


17:15 〜 19:15

[MIS02-P03] 都市近郊河川で採取したマイクロプラスチックの年齢分布解析

*鈴木 ひなた1木田 新一郎2、油布 圭2磯辺 篤彦2 (1.九州大学総合理工学府、2.九州大学応用力学研究所)


キーワード:マイクロプラスチック、河川、陸域、年齢

海洋におけるマイクロプラスチック(MPs)の紫外線照射を受けた累積時間(ここでは「年齢」と定義)について、赤外線吸光スペクトル強度や推定経験水温、さらには紫外線強度をもとにOkubo et al.(2023)によって推定手法が確立されている。しかし、河川における年齢推定についてはまだ研究例がなく、陸域での年齢頻度分布は明らかになっていない。本研究では、福岡県大野城市近郊の御笠川に流下するMPsを採取し年齢分析を行った。
 2024年8月及び12月に目合いが0.3mmの網を金属製のリングに取りつけた機器を河川内に固定して長時間のMP採取を実施し、約8時間の採取観測で103個のMPsを採取することができた。採取したMPsは破片状のものが最も多く、種類としてはポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)が多く発見された。このうちOkubo et al.(2023)と同じPEを選別し、年齢を推算したところ、1年〜19年と広い年齢分布のPEの存在が確認できた。これらは、これまでに明らかになっている海洋のMPsの1〜5年という年齢分布よりも広く、また古いものである。河川で海洋よりも高年齢のMPsが検出された理由として、若いプラスチックはサイズが大きいうちに川から海に流出するため川に残らないこと、陸域に長く滞留したMPsが長期間紫外線を浴び、劣化したのち雨水とともに川へと移行したことが考えられる。今後は河川・海洋ともにより多くのMPsの年齢を推算することでプラスチックごみの河川から海洋への流出過程を年齢分布より検討したい。