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[MIS10-12] 審査プロセスに見るユネスコ世界遺産とジオパークの評価制度の違い:新たな対話型ジオパーク審査の構築に向けて

キーワード:ジオパーク、世界遺産、ユネスコ、ジオパーク審査、対話型審査、ユネスコ世界ジオパーク
1972年に採択されたユネスコ世界遺産条約(以下、世界遺産)は、顕著な普遍的価値を有する遺産を、人類の共有財産として国家の枠組みを超えて保護していくことを目的とした初めての国際条約である。採択から50周年以上が経ち、世界遺産リストに登録される遺産の数は1223件に上る(2025年2月現在)。世界遺産には、考古学遺跡や建造物、文化的景観などの有形の文化遺産に加え、類まれなる自然美や地質遺産、生物多様性、絶滅危惧種の生息地などの自然遺産も含まれる。文化遺産と自然遺産を同じ枠組みで扱い、両者の連携を促進する役割を果たしてきた点が、世界遺産制度の大きな特徴の一つである。
一方、ユネスコ世界ジオパーク(以下、ジオパーク)の歴史は世界遺産と比べると新しく、ユネスコの公式事業となったのは2015年である。ジオパークは、国際的に重要な地質遺産を有する地域の保全と活用を目的とするが、その対象が地質遺産に限定されないことをユネスコは明白に述べており、自然・文化・無形遺産といった地域に存在するあらゆる遺産を結び付けながら活用していくことが目指されている。このように、世界遺産とジオパークは、双方が多様な遺産を対象とする点で共通すると言える。
また、世界遺産とジオパークのもう一つの共通点として、ユネスコの認定を受けるために厳格な審査プロセスが設けられていることが挙げられる。世界遺産の場合、文化遺産および自然遺産の専門家で構成される諮問機関が書類審査と現地調査を担当し、4段階の事前評価を提案する。この事前評価を基に、ユネスコ世界遺産委員会で世界遺産の登録が審議される。ジオパークでは、ユネスコジオパークカウンシルによって派遣される、専門知識を有した公式審査員が現地調査を実施し、その評価がユネスコによる最終決定の重要な参考とされる。
双方の制度は専門家の意見に基づく国際的な遺産保護の枠組みとして共通する一方で、世界遺産は事業開始から50年以上、ジオパークは10年が経過する中で、それぞれが独自の発展を遂げてきた点も多い。
本発表では、ユネスコの公式事業のうち、多様な遺産の保護という共通の目的を掲げる世界遺産とジオパークを対象として、サイトがユネスコの認定を受けるまでの審査制度に着目し、両者の違いと近年の変化を整理する。その上で、特にジオパークの審査制度における課題について報告する。
一方、ユネスコ世界ジオパーク(以下、ジオパーク)の歴史は世界遺産と比べると新しく、ユネスコの公式事業となったのは2015年である。ジオパークは、国際的に重要な地質遺産を有する地域の保全と活用を目的とするが、その対象が地質遺産に限定されないことをユネスコは明白に述べており、自然・文化・無形遺産といった地域に存在するあらゆる遺産を結び付けながら活用していくことが目指されている。このように、世界遺産とジオパークは、双方が多様な遺産を対象とする点で共通すると言える。
また、世界遺産とジオパークのもう一つの共通点として、ユネスコの認定を受けるために厳格な審査プロセスが設けられていることが挙げられる。世界遺産の場合、文化遺産および自然遺産の専門家で構成される諮問機関が書類審査と現地調査を担当し、4段階の事前評価を提案する。この事前評価を基に、ユネスコ世界遺産委員会で世界遺産の登録が審議される。ジオパークでは、ユネスコジオパークカウンシルによって派遣される、専門知識を有した公式審査員が現地調査を実施し、その評価がユネスコによる最終決定の重要な参考とされる。
双方の制度は専門家の意見に基づく国際的な遺産保護の枠組みとして共通する一方で、世界遺産は事業開始から50年以上、ジオパークは10年が経過する中で、それぞれが独自の発展を遂げてきた点も多い。
本発表では、ユネスコの公式事業のうち、多様な遺産の保護という共通の目的を掲げる世界遺産とジオパークを対象として、サイトがユネスコの認定を受けるまでの審査制度に着目し、両者の違いと近年の変化を整理する。その上で、特にジオパークの審査制度における課題について報告する。