17:15 〜 19:15
[MIS11-P01] 仙台平野北部における津波の侵食作用とその年代
キーワード:古地震、日本海溝
津波による侵食地形は古津波記録として近年注目されている。後退流による侵食は規模が大きいが、遡上流も微地形のまわりに侵食地形を形成する場合がある。これは、常時堆積物によって埋積され地中に保存されることで、過去の津波の年代や規模を知る手がかりになりうる。遡上流の痕跡として、特に規模評価に役立つと考えられる。
本研究では、仙台平野北部七北田川右岸の汀沈釜湿地を対象に、東北沖津波による侵食作用の規模と、過去に発生したと考えられる侵食作用の年代を検討した。この湿地は、既往の地形分類では第IIIb浜堤列上にあり、現海岸線からは約400~600 mの距離にある。湿地表層は、東北沖津波の際に堆積したと考えられる薄い砂層で覆われていた。その下では、厚さ数10cmの泥質の湿地堆積物が浜堤砂を覆っていることが確認された。東北沖地震前後のDEMの解析で求めた津波による地形変化量と、掘削調査で計測した東北沖津波による砂層の厚さから推定すると、汀沈釜湿地では局所的に深さ15~40 cmの侵食が起こっていたと考えられる。数理モデルによる簡単な検討に基づくと、これは時間平均シールズ数101~102のオーダーの流れが102秒のオーダーで継続した状況に相当する。泥質堆積物基底から採取した試料の年代は最も古い値で西暦1494-1640年を示した。この基底の直下には西暦915年または932年のTo-aテフラが認められたことから、汀沈釜湿地形成の直前に侵食作用が生じていた可能性がある。この年代に該当する歴史津波としては、1611年慶長奥州地震あるいは1454年享徳地震によるものが考えられる。
本研究では、仙台平野北部七北田川右岸の汀沈釜湿地を対象に、東北沖津波による侵食作用の規模と、過去に発生したと考えられる侵食作用の年代を検討した。この湿地は、既往の地形分類では第IIIb浜堤列上にあり、現海岸線からは約400~600 mの距離にある。湿地表層は、東北沖津波の際に堆積したと考えられる薄い砂層で覆われていた。その下では、厚さ数10cmの泥質の湿地堆積物が浜堤砂を覆っていることが確認された。東北沖地震前後のDEMの解析で求めた津波による地形変化量と、掘削調査で計測した東北沖津波による砂層の厚さから推定すると、汀沈釜湿地では局所的に深さ15~40 cmの侵食が起こっていたと考えられる。数理モデルによる簡単な検討に基づくと、これは時間平均シールズ数101~102のオーダーの流れが102秒のオーダーで継続した状況に相当する。泥質堆積物基底から採取した試料の年代は最も古い値で西暦1494-1640年を示した。この基底の直下には西暦915年または932年のTo-aテフラが認められたことから、汀沈釜湿地形成の直前に侵食作用が生じていた可能性がある。この年代に該当する歴史津波としては、1611年慶長奥州地震あるいは1454年享徳地震によるものが考えられる。