17:15 〜 19:15
[MIS11-P05] 環境DNAを用いた2011 年東北沖津波前後の生物群集変化

巨大津波イベントがひとたび発生すると,沿岸環境・生態系は短期間に大規模な擾乱を受ける(例えば,Asano et al. 2013など).しかしながら,津波がどのように沿岸環境・生態系に影響を及ぼすのか,その変化は中長期的に継続するのかなど,不明瞭な点が多い.津波イベントによる生態系及び環境変化を明らかにできれば,例えば復興時の農地や沿岸環境の改善などをより効率的に行うことができる可能性がある.また,環境・生態系変化が地層中に保存されるのであれば,津波イベントの認定や影響評価に結び付けることができると考えられる.津波前後での環境・生態系変化を解明する手段の一つとして,環境DNAが近年注目されている.環境DNAは,多くの生物種をまとめて分析可能な手法であり,例えばYap et al.(2021)は,2004年インド洋大津波を対象にして,津波堆積物の上下層で生態系の変化を報告している.しかし,いまだ津波堆積物に環境DNAを活用した研究例は限られるため,どの津波イベントでも変化が共通しているのか普遍性が明らかでない.
本研究では,環境DNAを用いて近年の津波イベント前後の環境・生態系変化を明らかにすることを目的とした.青森県八戸市大須賀海岸に堆積した2011年東北沖津波堆積物とその上下の土壌層で環境DNA分析を行い,微生物群集組成を調べた.現地で採取した堆積物コア中の,津波堆積物を含む地表から深さ20 cmほどを1 cm間隔でサンプリングし,環境DNA分析を行った.16Sの分析の結果,津波堆積物の上下,また津波堆積物とそれ以外では微生物群集が異なっていた.古細菌は津波堆積物中の一部で比較的多く見られた.微生物群集組成は,津波後は津波前や津波堆積物と比較しても多様性が低くなるなどの特徴が見られた.
本研究の結果から,微生物群集がイベントによって変化し,イベントの直後にはイベント前までとは異なる群集組成になったことが示唆された.発表では,16Sの結果に加えて,動植物のDNAに関する分析結果に関しても議論を行う.
本研究では,環境DNAを用いて近年の津波イベント前後の環境・生態系変化を明らかにすることを目的とした.青森県八戸市大須賀海岸に堆積した2011年東北沖津波堆積物とその上下の土壌層で環境DNA分析を行い,微生物群集組成を調べた.現地で採取した堆積物コア中の,津波堆積物を含む地表から深さ20 cmほどを1 cm間隔でサンプリングし,環境DNA分析を行った.16Sの分析の結果,津波堆積物の上下,また津波堆積物とそれ以外では微生物群集が異なっていた.古細菌は津波堆積物中の一部で比較的多く見られた.微生物群集組成は,津波後は津波前や津波堆積物と比較しても多様性が低くなるなどの特徴が見られた.
本研究の結果から,微生物群集がイベントによって変化し,イベントの直後にはイベント前までとは異なる群集組成になったことが示唆された.発表では,16Sの結果に加えて,動植物のDNAに関する分析結果に関しても議論を行う.