日本地球惑星科学連合2025年大会

講演情報

[J] 口頭発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-IS ジョイント

[M-IS12] 山の科学

2025年5月29日(木) 09:00 〜 10:30 102 (幕張メッセ国際会議場)

コンビーナ:佐々木 明彦(国士舘大学文学部史学地理学科 地理・環境コース)、西村 基志(信州大学 先鋭領域融合研究群 山岳科学研究拠点)、今野 明咲香(常葉大学)、座長:佐々木 明彦(国士舘大学文学部史学地理学科 地理・環境コース)、小山 拓志(国士舘大学文学部)

10:00 〜 10:15

[MIS12-05] 杓子岳北東斜面から白馬大雪渓上を流下する土石流の環境条件

高木 芹菜1、*奈良間 千之2 (1.新潟大学大学院自然科学研究科、2.新潟大学理学部フィールド科学人材育成プログラム)

キーワード:土石流、多雪地域、白馬大雪渓、飛驒山脈

飛驒山脈の北部に位置する日本三大雪渓のひとつ,白馬大雪渓(以下,大雪渓)において,2013年8月23日に杓子岳北東斜面(以下,北東斜面)から大雪渓上を約1 km 流下する土石流が発生した.本研究では,北東斜面を対象に,航空レーザ測量データ,セスナ空撮画像,UAVレーザ測量データから作成した3D 点群データやオルソ補正画像,DTM,DSMを用いた地形解析から,北東斜面における土砂生産量や谷筋の土砂貯留量の経年変化,季節変化を明らかにし,土砂移動プロセスと土石流発生の環境条件について検討した.
杓子岳北東斜面をV1,V2の谷筋流域に分類し(2013年の土石流はV2から発生),レーザ測量データの点群データを解析した結果,2013年に発生した土石流は,多量の土砂が前年に貯留していたこと,谷筋の残雪融解後に多量の降雨がなく,8月23日の 50mm/hを超える降雨があったこと,多雪年で雪渓面積がこの時期斜面と連続していたことから,多量の土砂が大雪渓上を移動したことがわかった.2024年も9月22 日に 50mm/hを超える降雨により,V1には前年に貯留していた多量の土砂が全て流出したが,大規模な土石流が大雪渓上を流れなかった.その理由として,その前にある程度土砂が流出したこと,雪渓が消失していたことが挙げられる.