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[MIS12-P04] 大雪山中央部,白雲岳周辺における地表環境の変遷
キーワード:泥炭質土層、テフロクロノロジー、放射性炭素年代、大雪山
大雪山中央部に位置する白雲岳の南東側斜面,ヤンベタップ川源頭部の谷中には堤防状の堆積地形が複数列認められ,それらは完新世の氷河作用によるモレーンである可能性が考えられる(長谷川ほか2012,髙橋2024).筆者らはこれらの堆積地形を覆う土層のほか,忠別川源頭部に分布する流水成堆積物や周氷河砂礫堆積物中およびそれらを覆う土層から年代資料を得た.本研究ではこれらの斜面構成物を記載し,それらの生成あるいは堆積年代を明らかにし,白雲岳の南東側斜面における地形の形成やその背後にある環境変遷を考察する.
ヤンベタップ川源頭部の堆積地形上に生成する土層には樽前-aテフラ(AD 1739)と駒ヶ岳c2テフラ(AD 1694)が介在する場合と,これらに加えて白頭山苫小牧テフラ(AD 946)が介在する場合がある.したがって,これらの堆積地形は,白頭山苫小牧テフラの降下以前に形成されたものと,それ以降に形成されたものとに分けられる可能性が高い.また,ヤンベタップ川源頭部の外側の斜面では,土層基底に5000年前に降下したスコリア層が介在することから,白雲岳周辺の土層の生成は一般には完新世前半から5000年前に始まったと考えられる.小白雲岳南東斜面の忠別川源頭部の流水成の斜面構成層中の黒泥層から12064-11760 cal BPが得られた.髙橋(2024)によれば,忠別川源頭部において完新世に氷河作用が生じていたとされるので,融氷流水により運搬された砂や礫が水域に堆積した可能性が考えられる.小白雲岳南東斜面の雪窪では土層基底から2304-2147 cal BPが得られた.白雲岳周辺の土層中に一般的に見られる5000年前のスコリア層が雪窪を覆う土層に認められないことから,小白雲岳南斜面の雪窪は5000年前以降に形成され,雪窪の大部分ではその後も地形形成が生じてきたと考えられる.
ヤンベタップ川源頭部の堆積地形上に生成する土層には樽前-aテフラ(AD 1739)と駒ヶ岳c2テフラ(AD 1694)が介在する場合と,これらに加えて白頭山苫小牧テフラ(AD 946)が介在する場合がある.したがって,これらの堆積地形は,白頭山苫小牧テフラの降下以前に形成されたものと,それ以降に形成されたものとに分けられる可能性が高い.また,ヤンベタップ川源頭部の外側の斜面では,土層基底に5000年前に降下したスコリア層が介在することから,白雲岳周辺の土層の生成は一般には完新世前半から5000年前に始まったと考えられる.小白雲岳南東斜面の忠別川源頭部の流水成の斜面構成層中の黒泥層から12064-11760 cal BPが得られた.髙橋(2024)によれば,忠別川源頭部において完新世に氷河作用が生じていたとされるので,融氷流水により運搬された砂や礫が水域に堆積した可能性が考えられる.小白雲岳南東斜面の雪窪では土層基底から2304-2147 cal BPが得られた.白雲岳周辺の土層中に一般的に見られる5000年前のスコリア層が雪窪を覆う土層に認められないことから,小白雲岳南斜面の雪窪は5000年前以降に形成され,雪窪の大部分ではその後も地形形成が生じてきたと考えられる.