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[MIS13-08] 氷XVIIから純氷Icが形成される分子機構
キーワード:氷、表面融解、固固相転移
約400年前、Scheinerは古代ローマの空に太陽周りの28度のhaloを観測した。それ以来、大気中の立方晶氷(氷Ic)の存在は示唆されてきた。しかし、純粋な氷Icを人類が手にしたのはわずか5年前のことである。液体水から準安定相である氷Icを合成する難しさは、安定相である六方晶氷(氷Ih)やIhとIcが混合した積層無秩序氷(氷Isd)の競合的形成にある。2020年、氷XVIIやC2型水素ハイドレートから固固相転移を経て純粋な氷Icを作成する方法が報告された。しかし、その分子機構は謎のままである。本研究では、分子動力学(MD)シミュレーションを用いて、氷XVIIから氷Icが2段階の過程を経て優先的に形成される微視的な詳細を明らかにした。まず、氷XVII表面上にできる融解層内で氷Icが形成される。次に安定したIc-XVII固固共存界面が内向きに層状に伝播する。格子長の一致と欠陥のない層状結晶進行が純氷Ic生成に不可欠であることを示す。結晶多形は自然界に遍在する。今回の結果は、氷に限らず、均衡した安定性を持つ多形体群から、目標とする結晶の合成を精密に制御するための貴重な知見を提供する。