日本地球惑星科学連合2025年大会

講演情報

[J] ポスター発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-IS ジョイント

[M-IS13] 結晶成⻑、溶解における界⾯・ナノ現象

2025年5月25日(日) 17:15 〜 19:15 ポスター会場 (幕張メッセ国際展示場 7・8ホール)

コンビーナ:木村 勇気(北海道大学低温科学研究所)、三浦 均(名古屋市立大学大学院理学研究科)、佐藤 久夫(日本原燃株式会社埋設事業部)

17:15 〜 19:15

[MIS13-P03] その場IR測定で探る気相からの金属酸化物ナノ粒子の核形成プロセス

*酒井 貫志1木村 勇気1、山崎 智也1 (1.北海道大学)


キーワード:結晶成長

ガス中蒸発法による気相からのナノ粒子の生成実験は昔から行われてきたが、その核形成過程は完全には明らかになっていない。また、そのようにして生成されたナノ粒子の結晶構造はバルクの結晶と同じ結晶性を持っていたとしても、特性は異なる場合があることが知られている。このようなナノ粒子の核生成過程を明らかにするために、本研究室では自由浮遊するナノ粒子の赤外線(IR)その場計測装置を独自に開発した。本装置を用いることで,気相成長中のナノ粒子のIRスペクトルその場計測が行える。IRスペクトルでは、その吸収スペクトルの変化から、気相から最終的に得られる結晶になるまでの粒子の状態(結晶かアモルファスか)や、結晶構造の変化を見て取ることができる。本研究では、先行研究が豊富な酸化モリブデンと、酸化タングステンを用いてガス中蒸発法による気相からの核生成実験を行った。
まずポンプを使ってチャンバー内を真空(~10-2 Pa) にした。その後アルゴンガス、酸素ガスを注入し,蒸発源であるモリブデン線(タングステン線)に電流を流して加熱した。酸化に伴って蒸発した酸化モリブデン(酸化タングステン)は、蒸発源からの距離に応じた温度勾配によって急冷され凝縮する。この過程で蒸発源の近傍で粒子が生成する。本装置では蒸発源からの距離を変えてIRスペクトルを測ることができる。そのため、ガスから核形成を経て結晶に至る過程のIRスペクトルを測ることにより核形成の経路を調べることができる。蒸発,凝縮した粒子をチャンバー内の蒸発源直上に設置した透過電子顕微鏡(TEM)観察用グリッドやチャンバー上部で収集した。収集した粒子をTEMで観察して形や結晶構造を調べたほか,チャンバー上部で収集した粒子はKBrと混ぜ合わせてIRスペクトルを測り,その場IRスペクトルと比較した。TEM観察の結果、結晶の成長につれて酸化モリブデンは針状から板状へ、酸化タングステンは八面体のような形状になっていた。また、ガス中で粒子同士が衝突、合体することによる成長でサイズも変わることが確認できた。