日本地球惑星科学連合2025年大会

講演情報

[J] 口頭発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-IS ジョイント

[M-IS14] 古気候・古海洋変動

2025年5月30日(金) 13:45 〜 15:15 コンベンションホール (CH-A) (幕張メッセ国際会議場)

コンビーナ:小長谷 貴志(海洋研究開発機構)、山崎 敦子(名古屋大学大学院環境学研究科)、長谷川 精(高知大学理工学部)、岡崎 裕典(九州大学大学院理学研究院地球惑星科学部門)、座長:長谷川 精(高知大学理工学部)


13:45 〜 14:00

[MIS14-21] 北西太平洋における放散虫の自動分類:バーチャルスライドスキャナーと深層学習による高解像群集解析の試み

*板木 拓也1本山 功2松崎 賢史4上栗 伸一3見邨 和英1宮川 歩夢1 (1.産業技術総合研究所、2.山形大学、3.茨城大学、4.東京大学)

キーワード:微化石、群集解析、自動化、ハイスループット

放散虫は古海洋環境解析において重要な指標生物であり、その分類と解析は地質学的研究において重要な役割を果たす。本研究の目的は、北西太平洋における放散虫の化石群集を高解像度で解析するために、バーチャルスライドスキャナーを用いて画像データを取得し、深層学習モデルを訓練して放散虫の自動分類を行う手法を開発することである。バーチャルスライドスキャナーは、顕微鏡スライドをデジタル画像データ(バーチャルスライド)として取得および観察する装置である。産総研で運用しているシステムは、バーチャルスライドデータから画像解析ソフトを用いて焦点合成と粒子画像の切出しを行い、深層学習によって粒子画像を自動分類することが出来る。本研究では、浜松ホトニクス社製バーチャルスライドスキャナーNanoZoomer S-360で取得された計5万画像を学習データとして整備し、現在、古海洋環境指標として有用な放散虫30種の分類精度を調査している。房総沖から採取された海底コアの271層準を用いた事前実験では、寒冷中層種Cycladophora davisianaと黒潮種Tetrapyle spp.の過去1.5万年間にわたる高解像記録が取得され、従来の報告と矛盾のない結果が得られた。この手法により、従来の手動分類に比べて効率的かつ正確な分類が可能となり、化石群集の解析における新たな可能性が期待される。