17:15 〜 19:15
[MIS14-P18] 喜界島の造礁サンゴ骨格に記録される高時間解像度の東アジアモンスーン変動
キーワード:サンゴ骨格、酸素同位体比、東アジアモンスーン
東シナ海沿岸地域の気候は、東アジアモンスーン(EAM)の影響を強く受ける。本研究では造礁サンゴ骨格の地球化学指標を用いて、高時間解像度の東アジアモンスーンの変動を復元し、近年のグローバルな気候変動に対し、EAMの強度がどのように変化するかを明らかにする。鹿児島県奄美群島に位置する喜界島は、琉球列島の中央、東シナ海に対して東端に位置し、EAMの影響により、夏季と冬季で風向きが明確に変わり、梅雨と秋雨が発生する。この降水パターンは東アジア夏季モンスーン(EASM)の消長に従っている。本研究では造礁サンゴ骨格の酸素同位体比を用いて、EASMおよび東アジア冬季モンスーン(EAWM)の変化を捉える。造礁サンゴ骨格中の酸素同位体比(δ18Ocoral)は、骨格が形成された当時の海水温と、海水酸素同位体比(δ18Osw)の両方の影響を受ける。喜界島ではEAMの強度により夏季の高水温および湿潤環境、冬季の低水温および乾燥環境が記録されていると予想される。
鹿児島県喜界島の塩道集落沿岸の内湾で採取された現生ハマサンゴ骨格コア(1927-2015年)、化石ハマサンゴ骨格コア(1798-1931年),手久津久集落沿岸の外洋に面した場所採取された現生ハマサンゴ骨格コア(年輪169本、成長停止面を含む)を用いた。コア試料は板状に成形し、軟X線画像を撮影し、年輪を観察した。年輪の最大成長軸に沿って、1.2mm間隔(約12点/年)、手久津久コアでは0.2mm間隔(約50点/年)で微小粉末試料を採取し、炭酸塩前処理装置を接続した安定同位体質量分析計(Thermo fisher scientific 社製Kiel4-253plus)を用いて酸素同位体比分析を行った。
全てのサンゴ骨格試料のδ18Ocoralは、明確な年周期変動を示した。塩道および手久津久のサンゴ骨格試料からは、それぞれ1798-2015年の217年間、1980-2023年の43年間のδ18Ocoral変動が得られた。各地点における水温の観測値(SST)と、東シナ海における 表層塩分(SSS)と δ18 O sw の関係式 (Oba, 1988)を使用し、塩道のδ18Ocoralの季節変動は41%の変化はSSSに依存し、 59%の変化はSSTで説明できることがわかった。同様に、手久津久のδ18Ocoralの季節変動は17%の変化はSSSに依存し、 83%の変化はSSTで説明できる。よって、塩道の内湾環境では降水/陸水による影響がサンゴ骨格の酸素同位体比変動に大きく影響していると考えられる。手久津久の外洋環境における冬季のδ18Ocoralは日本沿岸および北西太平洋のSSTと有意に相関していた。時間窓で区切って冬季のδ18Ocoralと北太平洋のSSTの相関マップを作成したところ、1980-1989年の手久津久の冬季SSTはインド洋~日本周辺の西太平洋のSSTと正の相関があり、2005-2013年の冬季SSTは、太平洋中部~東部と負の相関がみられた。このことから、喜界島の冬季モンスーンの強度は偏西風の蛇行や気圧の配置によって変化すると考えられる。
鹿児島県喜界島の塩道集落沿岸の内湾で採取された現生ハマサンゴ骨格コア(1927-2015年)、化石ハマサンゴ骨格コア(1798-1931年),手久津久集落沿岸の外洋に面した場所採取された現生ハマサンゴ骨格コア(年輪169本、成長停止面を含む)を用いた。コア試料は板状に成形し、軟X線画像を撮影し、年輪を観察した。年輪の最大成長軸に沿って、1.2mm間隔(約12点/年)、手久津久コアでは0.2mm間隔(約50点/年)で微小粉末試料を採取し、炭酸塩前処理装置を接続した安定同位体質量分析計(Thermo fisher scientific 社製Kiel4-253plus)を用いて酸素同位体比分析を行った。
全てのサンゴ骨格試料のδ18Ocoralは、明確な年周期変動を示した。塩道および手久津久のサンゴ骨格試料からは、それぞれ1798-2015年の217年間、1980-2023年の43年間のδ18Ocoral変動が得られた。各地点における水温の観測値(SST)と、東シナ海における 表層塩分(SSS)と δ18 O sw の関係式 (Oba, 1988)を使用し、塩道のδ18Ocoralの季節変動は41%の変化はSSSに依存し、 59%の変化はSSTで説明できることがわかった。同様に、手久津久のδ18Ocoralの季節変動は17%の変化はSSSに依存し、 83%の変化はSSTで説明できる。よって、塩道の内湾環境では降水/陸水による影響がサンゴ骨格の酸素同位体比変動に大きく影響していると考えられる。手久津久の外洋環境における冬季のδ18Ocoralは日本沿岸および北西太平洋のSSTと有意に相関していた。時間窓で区切って冬季のδ18Ocoralと北太平洋のSSTの相関マップを作成したところ、1980-1989年の手久津久の冬季SSTはインド洋~日本周辺の西太平洋のSSTと正の相関があり、2005-2013年の冬季SSTは、太平洋中部~東部と負の相関がみられた。このことから、喜界島の冬季モンスーンの強度は偏西風の蛇行や気圧の配置によって変化すると考えられる。
