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[MIS14-P25] 最新の気候モデルで計算されたLGMにおける沖縄の気候状態について
キーワード:LGM、東アジア、気候モデル
約2.1万年前の最終氷期最盛期 (Last Glacial Maximum,LGM)には,大気中のCO₂濃度は190 ppmであり,北半球に巨大な氷床が発達していたため海水準が低下していた.沖縄本島南部の洞穴から出土した貝化石と石筍を用いてLGMでの沖縄周辺の気温を復元した先行研究(Asami et al. 2021)では,LGMの沖縄は現代と比べて気温は6.3 ℃程度寒く(誤差±2.5 ℃),降雪もあった可能性が予想されている.一方,沖縄域の海面水温の低下は3.5 ℃に留まることが指摘されており(気温8.7~13.7 ℃,海面水温18.7 ℃),地表気温と海面水温の間に7.5 ℃の差(誤差±2.5 ℃)が見られることが示唆されている.現代では地表気温と海面水温の差は小さく4.7 ℃であるため,陸上と海洋の気温差がLGMには大きく異なっていたことを意味する.本研究では,将来の温暖化予測で用いられる最新の気候モデルがAsami et al. (2021)で示唆された沖縄域での冬季気候状態を再現できるかを調べる.
古気候モデル比較プロジェクトのフェーズ4と3(PMIP4, 3)に参加した13個の気候モデルで実行されたLGM実験結果と現代気候再現実験(piControl)データを解析する.特に,沖縄周辺の地表気温,海面水温,季節風,降水,降雪を調べる. 0.03 kg/m²/day以上の降雪を記録している場合、降雪ありと判断する.また,気候モデルの現代気候再現性を評価するため,再解析データERA5を用いた.
まず多くのモデルは現代の気温を概ね再現していることを確認した. LGM(最終氷期)での気温を見ると,現代よりも平均5 ℃低下しており,13個中8個のモデルがAsami et al. 2021の結果を再現していた.また,気温と海面水温の差はAsami et al. (2021)で示された通り,全てのモデルでLGMの方が大きいことが分かった.この要因として,LGMでは海水準が低下しており現代よりも大陸が沖縄に近かったため,寒冷化していた大陸の影響を強く受けていたことが考えられる. LGMでの降雪の有無を確認した結果,地表気温の再現の良いモデルの多くで降雪が見られた.また降雪の有無には冬季のモンスーン強度よりも,地表と850 hPaでの低温環境が重要であることがわかった.これらのモデルとAsami et al.(2021)を組み合わせて考えると,LGMの沖縄は大陸の影響を受けやすく,現在の九州南部のような気候であったと考えられる.
古気候モデル比較プロジェクトのフェーズ4と3(PMIP4, 3)に参加した13個の気候モデルで実行されたLGM実験結果と現代気候再現実験(piControl)データを解析する.特に,沖縄周辺の地表気温,海面水温,季節風,降水,降雪を調べる. 0.03 kg/m²/day以上の降雪を記録している場合、降雪ありと判断する.また,気候モデルの現代気候再現性を評価するため,再解析データERA5を用いた.
まず多くのモデルは現代の気温を概ね再現していることを確認した. LGM(最終氷期)での気温を見ると,現代よりも平均5 ℃低下しており,13個中8個のモデルがAsami et al. 2021の結果を再現していた.また,気温と海面水温の差はAsami et al. (2021)で示された通り,全てのモデルでLGMの方が大きいことが分かった.この要因として,LGMでは海水準が低下しており現代よりも大陸が沖縄に近かったため,寒冷化していた大陸の影響を強く受けていたことが考えられる. LGMでの降雪の有無を確認した結果,地表気温の再現の良いモデルの多くで降雪が見られた.また降雪の有無には冬季のモンスーン強度よりも,地表と850 hPaでの低温環境が重要であることがわかった.これらのモデルとAsami et al.(2021)を組み合わせて考えると,LGMの沖縄は大陸の影響を受けやすく,現在の九州南部のような気候であったと考えられる.
