17:15 〜 19:15
[MIS15-P11] 異なる間氷期における海洋炭素循環の比較解析
キーワード:海洋炭素循環、海洋深層循環、最終間氷期、氷期/間氷期サイクル
海洋は地球上の炭素の主要な貯留層であり、気候システムの長期的な炭素収支に大きな影響を与える。しかし、過去の温暖期における海洋炭素循環の変化や、またそのメカニズムが将来の気候変動にどの程度適用可能かは、依然として不明な点が多い。
本研究では、最終間氷期(LIG, 129–115 ka)、完新世(Holocene, 11 ka)、および産業革命前(PI)を対象に、海洋炭素循環の応答と大気中二酸化炭素濃度(pCO₂)の変化を解析した。 数値実験の結果、大気中 pCO₂ は PI (325.9 ppm) > LIG (310.7 ppm) > Holocene (305.1 ppm) の順に高く、PI での上昇は海面水温(SST)の上昇による二酸化炭素の溶解度低下が主因であることが示された。 一方、LIG の pCO₂ が Holocene より高い要因は、海洋生物地球化学的循環の違いによる表層の溶存無機炭素(DIC)とアルカリ度の変化に起因する。
LIG では、大西洋子午面循環(AMOC)のオーバーシュート直後にあたり、Holocene や PI より AMOC が強かった。 その結果、深層水中の炭素の滞留時間が短縮されたことで、有機物ポンプの効率が低下し、表層の DIC が増加した。さらに、この循環場の違いはガス交換にも影響し、LIG では Holocene よりも二酸化炭素を大気に放出しやすい状態をもたらした。全球的な水温と深層循環の違いが、海洋炭素循環を介して大気中 pCO₂ の差異を生じさせたと考えられる。
今後は、プロキシデータとの比較を通じて海盆ごとの応答の妥当性を検証し、氷期—間氷期遷移における炭素ポンプと AMOC の役割を詳細に解析する。 これにより、Termination 1(最終氷期から完新世の気候遷移(Termination 1)およびその前の Termination 2 の過渡応答を比較することで、温暖期に向かう長期的な海洋炭素循環変化の理解を深める。
本研究では、最終間氷期(LIG, 129–115 ka)、完新世(Holocene, 11 ka)、および産業革命前(PI)を対象に、海洋炭素循環の応答と大気中二酸化炭素濃度(pCO₂)の変化を解析した。 数値実験の結果、大気中 pCO₂ は PI (325.9 ppm) > LIG (310.7 ppm) > Holocene (305.1 ppm) の順に高く、PI での上昇は海面水温(SST)の上昇による二酸化炭素の溶解度低下が主因であることが示された。 一方、LIG の pCO₂ が Holocene より高い要因は、海洋生物地球化学的循環の違いによる表層の溶存無機炭素(DIC)とアルカリ度の変化に起因する。
LIG では、大西洋子午面循環(AMOC)のオーバーシュート直後にあたり、Holocene や PI より AMOC が強かった。 その結果、深層水中の炭素の滞留時間が短縮されたことで、有機物ポンプの効率が低下し、表層の DIC が増加した。さらに、この循環場の違いはガス交換にも影響し、LIG では Holocene よりも二酸化炭素を大気に放出しやすい状態をもたらした。全球的な水温と深層循環の違いが、海洋炭素循環を介して大気中 pCO₂ の差異を生じさせたと考えられる。
今後は、プロキシデータとの比較を通じて海盆ごとの応答の妥当性を検証し、氷期—間氷期遷移における炭素ポンプと AMOC の役割を詳細に解析する。 これにより、Termination 1(最終氷期から完新世の気候遷移(Termination 1)およびその前の Termination 2 の過渡応答を比較することで、温暖期に向かう長期的な海洋炭素循環変化の理解を深める。
