日本地球惑星科学連合2025年大会

講演情報

[J] ポスター発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-IS ジョイント

[M-IS15] グローバル南極学

2025年5月27日(火) 17:15 〜 19:15 ポスター会場 (幕張メッセ国際展示場 7・8ホール)

コンビーナ:石輪 健樹(国立極地研究所)、草原 和弥(海洋研究開発機構)、箕輪 昌紘(北海道大学・低温科学研究所)、飯塚 睦(産業技術総合研究所)


17:15 〜 19:15

[MIS15-P12] 東南極 Larsemann Hillsの湖底堆積物を用いた最終間氷期以降の高分解能古環境復元

*小杉 采葉1、石輪 健樹2,1、B.S., Mahesh3、Elie Verleyen 4、田村 亨5、Cheryl Noronha-E.D. Mello3、Phillippe Huybrechts 6、Anish Kumar Warrier7、香月 興太8、池原 実9、Rahul Mohan3、菅沼 悠介2,1 (1.総合研究大学院大学、2.国立極地研究所、3.National Centre for Polar and Ocean Research、4.ゲント大学、5.産業技術総合研究所、6.Vrije Universiteit Brussel、7.Manipal academy of Higher Education、8.島根大学、9.高知大学)

キーワード:東南極、最終間氷期、高分解能古環境復元、ラーセマンヒルズ

南極は現在の温暖化の影響を受けているため,氷床質量損失が進んでいる.南極の将来的な気候変動に対する南極の応答を知るためには,過去の温暖期における堆積物記録の解析が有用である.最終間氷期は,現在と同等以上に温暖な気候だったとされるが,とくに南極では当時の古環境記録が乏しい.しかし,東南極 Larsemnann Hillsでは断片的ながら最終間氷期の堆積物が報告されており,最終間氷期以降の連続的な古環境記録を得られる可能性がある.これまでに,Verleyen et al. (2004)では約5万年前のMIS3を含む堆積物が,Hodgson et al. (2006)では約12万年前のMIS5と予想される堆積物が,それぞれ報告され,過去の東南極沿岸の海水準変動や氷床変動の復元などが行われている(e.g. Hodgson et al., 2001,Verleyen et al., 2004) .しかし,最終間氷期を示す年代値が得られていないこと,連続的かつ高分解能での分析が行われていないことなどの課題が残されている.
そこで本研究では,氷河性堆積物まで採取可能な自主開発の可搬式パーカッションピストンコアラー(菅沼ほか., 2019)を用いてLarsemann Hillsの湖沼から堆積物を採取した.採取した堆積物のうち,Kirisjes Pondでは2m以上の堆積物が得られたため,MIS3 (Verleyen et al., 2004)よりも古い年代まで遡る可能性がある.また,採取した堆積物に対してX線CT画像解析などの非破壊分析や層相記載を実施した.堆積物採取時にはCTD観測装置を用いて湖の水質データを取得した.今後はAI技術を活用した珪藻群集解析,放射性炭素年代測定,OSL年代測定,およびマイクロXRFによる2次元元素マッピングに基づいて,Larsemann Hillsの湖沼における高分解能な古環境復元を進めていく予定である.