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[MIS15-P15] 完新世の南極氷床再拡大:東南極リュツォ・ホルム湾ラングホブデの例
キーワード:南極、湖底堆積物、完新世
南極氷床は多様な時間スケールの変動を有しており、現在観測されている質量収支はそれらの変動が重畳したものである。そのため、南極氷床の質量収支の高精度評価には衛星観測による数十年から数年の変動の復元に加え、数十年以上の変動の復元に有用な地質試料による過去の南極氷床変動史の復元が不可欠である。近年の研究では最終氷期最盛期以降の氷床後退後の完新世において、南極氷床の再拡大が指摘されている(例えば、Balgo et al., 2023; Berg et al., 2020; Simms et al., 2021)。この氷床の再拡大は現在の質量収支の評価に影響を及ぼすため、どの地域で、どのくらいの規模で、いつ起こったのか、を把握する必要がある。
本発表では東南極リュツォ・ホルム湾に位置するラングホブデのぬるめ池の湖底堆積物試料から示唆された完新世における氷床の再拡大について発表する。第61次南極地域観測隊で採取した堆積物試料を対象とし、珪藻群集解析と元素分析から堆積環境を復元した。そして、貝類や堆積物中の有機炭素に対して放射性炭素年代測定を実施し、環境変化のタイミングを決定した。その結果、氷床後退による海水準変動に伴う地形の変化がぬるめ池の水塊構造を変化させる主要因であるが、約2000年前には氷床がぬるめ池近くまで再拡大し、ぬるめ池への淡水流入が増加した可能性が示された。このタイミングは西南極で報告されている時期よりも早いが、東南極の Bunger Hillsで報告されている時期とほぼ同時期であることが明らかになった。これは南極の氷床の再拡大の時空間分布を把握するために重要な結果である。
本発表では東南極リュツォ・ホルム湾に位置するラングホブデのぬるめ池の湖底堆積物試料から示唆された完新世における氷床の再拡大について発表する。第61次南極地域観測隊で採取した堆積物試料を対象とし、珪藻群集解析と元素分析から堆積環境を復元した。そして、貝類や堆積物中の有機炭素に対して放射性炭素年代測定を実施し、環境変化のタイミングを決定した。その結果、氷床後退による海水準変動に伴う地形の変化がぬるめ池の水塊構造を変化させる主要因であるが、約2000年前には氷床がぬるめ池近くまで再拡大し、ぬるめ池への淡水流入が増加した可能性が示された。このタイミングは西南極で報告されている時期よりも早いが、東南極の Bunger Hillsで報告されている時期とほぼ同時期であることが明らかになった。これは南極の氷床の再拡大の時空間分布を把握するために重要な結果である。
