17:15 〜 19:15
[MIS16-P05] 水平2次元β面における渦対の相互作用および渦の移動方向に関する数値シミュレーション
キーワード:渦、数値モデル
台風が近距離(約1000km以内)で複数発生すると,それらが相互作用を引き起こし,複雑な経路を示すことがある.これらの渦の振る舞いは藤原の効果(Fujiwhara,1923)として知られているが,その詳細は必ずしもよく分かっていない.本研究では,このような渦の相互作用について理解するため,β平面上の水平2次元非圧縮性流体の渦度方程式の数値モデルを構築し,渦の相互作用について調べた.また,関連して単体の渦の移動方向を決める要因についても調べた.
格子点法を用いてβ平面上の水平2次元非圧縮性流体の渦度方程式の数値モデルを構築した.東西・南北いずれの境界も周期境界とし,モデルの格子点数は512×512とした.渦の相互作用を調べる実験では,渦の強さと渦対の中心間距離をパラメータとして実験を行った.また,単体の渦の移動方向を決める要因を分析する実験では,南北境界をフリースリップの剛体壁(流線関数の勾配が0)として設定した.渦度の初期分布はKitade (1981) を参考に与えた.
渦対の相互作用について調べるため,はじめにβ=0として数値実験を行った.計算開始後,渦対は反時計回りに回転し引き合うように融合した.融合された渦は渦対間の中心に安定して存在していた.これはRasmussen et al.(2002)と定性的に同様の結果であり,構築した数値モデルの計算に大きな問題はないと判断した.次に,β>0として渦対の相互作用に関する数値実験を行った.このケースでは,ベータ項により計算領域に渦度の勾配が現れ,渦対は反時計回りに回転しながら北西進する結果となった.しかし,渦対は融合されず,最終的には離れ離れになった.回転系における単体の渦は,ベータ項の効果により発生するロスビー波により,渦が西進することが知られている.また,渦の左側に反時計回りの流れ,右側に時計回りの流れが発生することで,渦が北側に移動する.これらの効果により渦は北西進する(ベータドリフト).今回の実験では,渦対の場合でも単体の渦と同様にベータドリフトが起こることが確認できた.
単体の渦の移動方向を決定づける要因について詳しく調べるため行った数値実験では,初期渦の外側に任意の負の渦度を与え,渦のまわりの流れ場が渦の移動方向にどのような影響を与えるか調べた.初期渦周りの渦度が小さいほど西進が妨げられ,より北側へと移動する結果となった.流れ場は(i)渦として表される軸対称循環,(ii)軸対称循環と環境との相互作用から発生する非軸対称循環,(iii)水平方向に均一な大きいスケールのsteering flowの3要素に分けて考えることができる(Elsberry, 1986).流線関数を軸対称成分と非軸対称成分に分けてみた結果,非軸対称成分の回転の向きによって渦の移動方向が決められている可能性が示唆された.
格子点法を用いてβ平面上の水平2次元非圧縮性流体の渦度方程式の数値モデルを構築した.東西・南北いずれの境界も周期境界とし,モデルの格子点数は512×512とした.渦の相互作用を調べる実験では,渦の強さと渦対の中心間距離をパラメータとして実験を行った.また,単体の渦の移動方向を決める要因を分析する実験では,南北境界をフリースリップの剛体壁(流線関数の勾配が0)として設定した.渦度の初期分布はKitade (1981) を参考に与えた.
渦対の相互作用について調べるため,はじめにβ=0として数値実験を行った.計算開始後,渦対は反時計回りに回転し引き合うように融合した.融合された渦は渦対間の中心に安定して存在していた.これはRasmussen et al.(2002)と定性的に同様の結果であり,構築した数値モデルの計算に大きな問題はないと判断した.次に,β>0として渦対の相互作用に関する数値実験を行った.このケースでは,ベータ項により計算領域に渦度の勾配が現れ,渦対は反時計回りに回転しながら北西進する結果となった.しかし,渦対は融合されず,最終的には離れ離れになった.回転系における単体の渦は,ベータ項の効果により発生するロスビー波により,渦が西進することが知られている.また,渦の左側に反時計回りの流れ,右側に時計回りの流れが発生することで,渦が北側に移動する.これらの効果により渦は北西進する(ベータドリフト).今回の実験では,渦対の場合でも単体の渦と同様にベータドリフトが起こることが確認できた.
単体の渦の移動方向を決定づける要因について詳しく調べるため行った数値実験では,初期渦の外側に任意の負の渦度を与え,渦のまわりの流れ場が渦の移動方向にどのような影響を与えるか調べた.初期渦周りの渦度が小さいほど西進が妨げられ,より北側へと移動する結果となった.流れ場は(i)渦として表される軸対称循環,(ii)軸対称循環と環境との相互作用から発生する非軸対称循環,(iii)水平方向に均一な大きいスケールのsteering flowの3要素に分けて考えることができる(Elsberry, 1986).流線関数を軸対称成分と非軸対称成分に分けてみた結果,非軸対称成分の回転の向きによって渦の移動方向が決められている可能性が示唆された.