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[MIS16-P07] 強風下における波浪境界層の鉛直構造の数値実験
理論研究において、砕波のパラメータ化には観測と照合した経験値が必要とされる。波浪境界層の素過程(波動力学・乱流混合・物質輸送・大気海洋間フラックス)の理解を深めるには、気側と液側の流体運動を統合的に再現できるLES(Large Eddy Simulation)が不可欠である。しかし、従来のLESは、土木・機械工学分野では時空間スケールが小さすぎ、大気・海洋分野では水面砕波を陽に解けないという課題があった。本研究では、気液の連続性を考慮しつつ、乱流や水面波の相互作用を再現するために、波浪エネルギースペクトル(Wave Energy Spectral: WES)モデルと鉛直伸縮格子を用いたLESモデルを結合したシステムを開発している。LESモデルでは、上端500mの気側に一定の西風を与え、乱流の発達過程を水平解像度1mで3次元的に再現する。得られた10m高風速の統計的平均値をWESモデルに入力し、砕波や非線形相互作用を含む平衡状態を求める。WESモデルでは水面波の位相変化を解かないため、LESの気液境界面形状を非静力圧力の鉛直勾配境界条件を用いて再現し、気側と液側の乱流や軌道運動を表現する。さらに、LESモデルには地球の自転効果を導入し、気側からの運動量入力が液側のエクマン流で相殺されるようにする。また、水面波の峰から海塩粒子が生成されるように複数のトレーサーを導入し、海上エアロゾルの動態を再現する。