15:30 〜 15:45
[MIS17-07] 岩石摩擦実験から海溝型巨大地震の始まりを探る
キーワード:岩石摩擦実験、沈み込み帯、海溝型巨大地震、付加体
日本などの沈み込み帯に面した地域は海溝型巨大地震による強い地震動や津波によって被害を受けてきた。これらの被害を低減するためには沈み込み帯における地震の発生メカニズムを理解し、プレート境界断層がどのようにすべるのかを明らかにすることが必要である。断層のすべり方は断層の摩擦特性に支配される。また摩擦特性は物質によって大きく変化する。そのため、沈み込み帯のプレート境界断層に存在する物質の摩擦特性を知らなければ、沈み込み帯の地震発生メカニズムは理解できない。
海溝では、海側プレートに乗った、下から海洋地殻玄武岩・遠洋性堆積物・半遠洋性堆積物・海溝充填堆積物からなる海洋底層序と呼ばれる岩相パッケージが陸側プレートと衝突する。場所にもよるが、海洋底層序の一部がプレート境界断層に沿って陸側プレートの下に沈み込み、残りが陸側プレートの先端に付加することで付加体を形成する。沈み込み帯における地震の多くは、沈み込んだ海洋底層序の一部が断層を構成し、すべることで引き起こされる。
これらの海洋底層序は、その岩相によって構成鉱物が異なり、多様な摩擦特性を示す。そのなかでも巨大地震に伴って津波を引き起こすような大きなすべりは、粘土鉱物に富む遠洋性堆積物がカギであることが深海掘削から明らかになっている。一方で巨大地震の震源は深海掘削では到達できない深度に位置する。地震発生帯と呼ばれるこの深度ではどのような岩相からどのように地震が始まるのだろうか?本発表では、陸上付加体における構造地質学的調査の結果をもとに、海洋底層序を成す岩相について岩石摩擦実験を行い、海溝型巨大地震を引き起こす沈み込み帯のプレート境界断層の地震発生帯における摩擦特性を明らかにした結果を紹介する。
岩石摩擦実験を通すことで、沈み込みから上昇までの長期間のプロセスを記録した陸上付加体から、海溝型巨大地震という短期間のプロセスへとアプローチすることができる。地球科学において時間スケールの両極端に位置する地質学と地震学を結ぶユニークな手法である岩石摩擦実験の魅力を紹介したい。
海溝では、海側プレートに乗った、下から海洋地殻玄武岩・遠洋性堆積物・半遠洋性堆積物・海溝充填堆積物からなる海洋底層序と呼ばれる岩相パッケージが陸側プレートと衝突する。場所にもよるが、海洋底層序の一部がプレート境界断層に沿って陸側プレートの下に沈み込み、残りが陸側プレートの先端に付加することで付加体を形成する。沈み込み帯における地震の多くは、沈み込んだ海洋底層序の一部が断層を構成し、すべることで引き起こされる。
これらの海洋底層序は、その岩相によって構成鉱物が異なり、多様な摩擦特性を示す。そのなかでも巨大地震に伴って津波を引き起こすような大きなすべりは、粘土鉱物に富む遠洋性堆積物がカギであることが深海掘削から明らかになっている。一方で巨大地震の震源は深海掘削では到達できない深度に位置する。地震発生帯と呼ばれるこの深度ではどのような岩相からどのように地震が始まるのだろうか?本発表では、陸上付加体における構造地質学的調査の結果をもとに、海洋底層序を成す岩相について岩石摩擦実験を行い、海溝型巨大地震を引き起こす沈み込み帯のプレート境界断層の地震発生帯における摩擦特性を明らかにした結果を紹介する。
岩石摩擦実験を通すことで、沈み込みから上昇までの長期間のプロセスを記録した陸上付加体から、海溝型巨大地震という短期間のプロセスへとアプローチすることができる。地球科学において時間スケールの両極端に位置する地質学と地震学を結ぶユニークな手法である岩石摩擦実験の魅力を紹介したい。