16:30 〜 16:45
[MIS17-11] 21世紀のoptical mineralogy:岩石組織解析のための新たなワークフロー
★招待講演

キーワード:偏光顕微鏡、ソフトウェア、画像処理、結晶光学、岩石組織
地球科学の進歩は分析技術の発展とともにあり、各種の実験装置が高精度・高分解能化すると同時に、得られたデータを解釈・描画するソフトウェアも飛躍的に進化し、高効率かつ正確な分析フローが実現されている。一方で、偏光顕微鏡のように比較的安価で簡便に使用できる古典的な分析装置も依然として重要である。鉱物結晶の光学的性質を利用することで、鉱物相や結晶方位を迅速に決定でき、岩石組織の一次記載に広く活用されている。そのため、偏光顕微鏡は多くの研究機関や大学教育において使用されている、最も普及している分析機器の一つと言える。しかしながら、偏光顕微鏡によって得られる鉱物や岩石組織の光学的・物理的性質を総合的に解析できるソフトウェアはほとんど存在せず、さらに岩石薄片から取得できる情報量はユーザーの習熟度に大きく依存している。この問題を解決するため、本研究では偏光顕微鏡を用いた効率的な分析フローを確立し、岩石や鉱物組織の分析を飛躍的に効率化することを目指す。これにより、偏光顕微鏡の圧倒的な簡便性を活かし、大規模な岩石組織や化学組成のデータセットを構築し、統計的な情報を抽出することや、地質帯スケールでの物理化学的パラメータの空間マッピングを行うことが可能となる。
本研究で開発したソフトウェアは、映像撮影が可能なすべての偏光顕微鏡に対応している。基本原理として、岩石薄片をステージ上で回転させながら動画を撮影し、その動画をフレームごとに画像解析することで鉱物の光学的性質を解析する。この解析には、ソフトウェア内部で行列光学を用いてシミュレーションした偏光状態から予測される干渉色と、カメラのイメージセンサーに取り込まれた光学情報とのフィッティングを行う手法を採用している。これにより、ほぼ全自動かつ効率的に鉱物のレターデーションや結晶方位のマッピングを作成できる。得られた情報を基に、結晶形態解析、相マッピング、元素組成解析、粒度分析、一軸性の結晶方位解析など、多様な解析を一つのシステム上で容易に実行可能である。データの取得から解析までを10分以内に完了でき、大規模データセットの作成を大いに支援すると期待される。本発表では、いくつかの天然試料に対するソフトウェアの応用事例を紹介するとともに、可能であればソフトウェアの使用方法を実演する予定である。
本研究で開発したソフトウェアは、映像撮影が可能なすべての偏光顕微鏡に対応している。基本原理として、岩石薄片をステージ上で回転させながら動画を撮影し、その動画をフレームごとに画像解析することで鉱物の光学的性質を解析する。この解析には、ソフトウェア内部で行列光学を用いてシミュレーションした偏光状態から予測される干渉色と、カメラのイメージセンサーに取り込まれた光学情報とのフィッティングを行う手法を採用している。これにより、ほぼ全自動かつ効率的に鉱物のレターデーションや結晶方位のマッピングを作成できる。得られた情報を基に、結晶形態解析、相マッピング、元素組成解析、粒度分析、一軸性の結晶方位解析など、多様な解析を一つのシステム上で容易に実行可能である。データの取得から解析までを10分以内に完了でき、大規模データセットの作成を大いに支援すると期待される。本発表では、いくつかの天然試料に対するソフトウェアの応用事例を紹介するとともに、可能であればソフトウェアの使用方法を実演する予定である。