日本地球惑星科学連合2025年大会

講演情報

[J] ポスター発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-IS ジョイント

[M-IS17] 地質学のいま

2025年5月26日(月) 17:15 〜 19:15 ポスター会場 (幕張メッセ国際展示場 7・8ホール)

コンビーナ:辻森 樹(東北大学)、山口 飛鳥(東京大学大気海洋研究所)、尾上 哲治(九州大学 大学院理学研究院 地球惑星科学部門)、小宮 剛(東京大学大学院総合文化研究科広域科学専攻)

17:15 〜 19:15

[MIS17-P04] Textural and geochemical characterization of magmatic apatite from the Panda Hill complex, western Tanzania: Implications for primary magma and petrogenesis

*梅宮 穂花1辻森 樹1青木 翔吾2、ボニファス ネルソン3 (1.国立大学法人東北大学、2.秋田大学大学院 国際資源学研究科、3.ダルエスサラーム大学)

キーワード:カーボナタイト、燐灰石、微量元素、ニオブ

カーボナタイトは、炭酸塩鉱物を主体とする火成岩であり、その形成過程でニオブや希土類元素(REEs)などの重要元素を濃集することが知られている。これらの元素は現代社会にとって不可欠な資源であるが、カーボナタイトの成因や元素濃集のメカニズムには未解明の部分が多い。本研究では、タンザニア西部のパンダ・ヒル産カーボナタイトを対象とし、アパタイトを指標鉱物としてマグマ過程を解明することを目的とする。
タンザニア南西のパンダ・ヒル産カーボナタイトは、方解石とアパタイトを主要鉱物とし、ニオブを多く含む副成分鉱物としてパイロクロアが顕著に存在する。その高いニオブ含有量から、将来的なニオブ鉱床としてのポテンシャルが注目されている。先行研究では、このカーボナタイトが再結晶作用や熱水変質をほとんど受けていないことが示唆されており、一次的なマグマ過程を研究する上で理想的な対象と考えられる。しかし、その詳細な結晶化履歴や微量元素の挙動については、未だ十分に解明されていない。本研究では、パンダ・ヒル産、含パイロクロア・カーボナタイトを例に、それに含まれるアパタイトおよびその包有物、さらに共存する炭酸塩鉱物を対象に、光学カソードルミネッセンス(CL)イメージングを用いて結晶内部の成長帯構造を評価し、エネルギー分散型X線分光法(EDS)とレーザーアブレーション誘導結合プラズマ質量分析(LA-ICP-MS)を用いて主要・微量元素組成の特徴付けを行った。
アパタイトはカーボナタイトに広く含まれる鉱物であり、マグマの進化初期からリンが枯渇するまでの長期間にわたって結晶化する。また、結晶構造の特性上、多様な微量元素を取り込むことができ、母岩の化学的特徴を保持する。この性質により、アパタイトはカーボナタイトの成因や元素濃集プロセスを解明する上で重要な指標となる。さらに、アパタイト中の包有物は、マグマの組成や結晶化環境に関する直接的な情報を提供する可能性がある。
本研究では、アパタイトから得られた情報に基づき、パンダ・ヒル産カーボナタイト形成過程における、ニオブおよびREEsを含む重要元素の挙動を定量的について議論する。本研究の基礎データはカーボナタイトの成因理解の深化に貢献するとともに、カーボナタイト関連のニオブ・REE資源の経済的ポテンシャルの評価にも寄与することが期待される。