日本地球惑星科学連合2025年大会

講演情報

[J] ポスター発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-IS ジョイント

[M-IS18] 惑星火山学

2025年5月25日(日) 17:15 〜 19:15 ポスター会場 (幕張メッセ国際展示場 7・8ホール)

コンビーナ:野口 里奈(新潟大学 自然科学系)、諸田 智克(東京大学理学系研究科地球惑星科学専攻)、下司 信夫(九州大学大学院 理学研究院 地球惑星科学部門)

17:15 〜 19:15

[MIS18-P03] 火星の中央エリシウム平原は3本のリフトゾーンを持つか

*野口 里奈1河野 元彦1 (1.新潟大学 自然科学系)

キーワード:火星、リフトゾーン、中央エリシウム平原、リフトアーム

中村(1969)により、側火山の配列方向は広域応力場を反映しているのではないかというアイディアが提示された。現在、この概念は多くの火山地域における側火山・岩脈の配列の説明を可能としており、広く受け入れられている。側火山や岩脈群によって形成される地溝集中域は、現在、リフトゾーンと一般に呼ばれている。

リフトゾーンの発達は、マグマ密度・粘性、マグマ中圧力、火山テクトニクス史、そしてリソスフェア中の応力規模・伸展によってコントロールされる(Burchardt et al., 2018)。これらパラメータのバランスにより、リフトゾーンの形状や本数が決まる。典型的には、個々の火山は2もしくは3本のリフトゾーン(リフトアーム)を持つとされている。

火星の中央エリシウム平原はケルベロスフォッサから噴出した溶岩によって形成されている広大な溶岩平原である。近年の火震観測、重力・地形解析結果からは、地下の活動的なマントルプルームの存在が示唆されている(Broquet and Andrews-Hanna, 2023)。Low shieldとして知られている小型火山地形は、ケルベロスフォッサ沿いと中央エリシウム平原南部に見られる。これらの分布は3本のリフトアームの存在を想起させる。本発表では中央エリシウム平原で3本のリフトアームが形成され得る/存在するのか、low shieldの空間分布および地球上の先行研究から議論する。

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Broquet and Andrews-Hanna, 2023, Nat Astron 7, 160–169.; Burchardt et al., 2018, Volcanic and igneous plumbing systems. Elsevier, 89-112.; Nakamura, 1969, KAZAN, 2, 14(1), 8-20.