日本地球惑星科学連合2025年大会

講演情報

[J] ポスター発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-IS ジョイント

[M-IS19] 大気電気学:大気電気分野の物理現象解明から防災への応用まで

2025年5月29日(木) 17:15 〜 19:15 ポスター会場 (幕張メッセ国際展示場 7・8ホール)

コンビーナ:菊池 博史(国立大学法人 電気通信大学)、鴨川 仁(静岡県立大学グローバル地域センター)

17:15 〜 19:15

[MIS19-P03] 日本国内にて発生した線状降水帯に伴う豪雨とトータル雷の関連性の調査

*大内 皓斗1芳原 容英1,2,3菊池 博史1,2Debrupa Mondal1、Jeff Lapierre4 (1.電気通信大学大学院、2.電気通信大学宇宙・電磁環境研究センター、3.国際社会実装センター、4.Earth Networks, USA)

キーワード:トータル雷、線状降水帯

線状降水帯は長時間の豪雨をもたらし、河川の氾濫や土砂崩れなどの深刻な被害をもたらす気象現象である。地球温暖化の加速に伴い、今後発生頻度の増加が見込まれており、被害軽減のための予測精度の向上が課題となっている。一方で、豪雨をもたらす対流セルの降水量と雷頻度には強い相関があることが近年報告されている。国内においても、地上降水量(PV)に対し雲雷(IC)の雷頻度が5~10分程度先行する事例が報告されている(Mondal et al, 2021)。
そこで本研究では、日本国内で発生した豪雨被害の大きい線状降水帯に注目し、それに伴う降水と雷活動の関連性の調査を行った。線状降水帯において得られた特徴との比較のために、非線状降水帯についても調査を行った。国土交通省が国内に展開する高速気象レーダ観測ネットワーク(XRAIN)による地上降水データと電通大が国内に展開する日本トータル雷観測ネットワーク(JTLN)の雷放電データを用い、降水セルと雷活動の時空間変化を解析した。その結果、線状降水帯事例においてPVの顕著な増加に対し、ICのライトニングジャンプ(LJ)が約25分先行して発生している事例が確認された。また、タイムラグを考慮した線状降水帯におけるPVと雷頻度の相関を求めた結果、相互相関係数は非常に高い値を示した。さらに、線状降水帯では、非線状降水帯と比較して雷頻度が低い場合でもより多くの降水が発生する傾向が確認された。以上の結果から、トータル雷、とりわけICの頻度の時間変化が線状降水帯の降水量の予測に有効である可能性が示唆される。