09:00 〜 09:15
[MIS21-01] 衛星による海洋ゴミのモニタリング戦略
★招待講演
キーワード:海洋ゴミ、プラスチック、超小型衛星、反射スペクトル
主に河川から流出したプラスチックを含む海洋ゴミが、どのような経路で海洋を移動し、海岸に打ち上げられ、また海に戻されて最終的な集積地に向かうのかを解明することは容易ではない。ドローンは、100mオーダーの範囲の海岸で詳細な調査をすることができるが、地形的に容易に接近できない湾や、例えば国の海岸線全体といった広域で計測することは困難である。一方衛星は、広域を短時間でモニターできる強力な手段であるが、空間解像度の点で限界があり、ゴミの種類や大きさを判別することは難しい。また、衛星の回帰周期が長い場合、海洋上のゴミの移動を時々刻々追跡することは従来の衛星だけではできない。私たちは、海岸などで収集した海洋ゴミの反射スペクトルを詳細に調べ、ゴミの種類を判別するために適した波長の組み合わせを割り出し、その情報に基づいて衛星を開発・運用するという構想を進めている。独自の衛星を保有、運用するため、自身の目的のためにカメラの視野方向自在に変えることができ、その結果衛星1機でもある特定のターゲットを毎日追跡することが可能である。ただし、衛星に搭載されるスペクトルカメラの地上解像度は最良でも3-5mが限界になるため、個々のゴミを解像して認識することはできない。そのため、複数の対象物の反射スペクトルの合成として観測し、材質ごとの割合を推定する手段をとる。こうした先端的な衛星技術を応用することで、コスト面では従来衛星の数十分の1から百分の1に抑えつつ、機動的な観測によって、海洋ゴミの動態を明らかにしたいと考えている。