日本地球惑星科学連合2025年大会

講演情報

[J] 口頭発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-IS ジョイント

[M-IS21] プラスチック汚染の実態把握と対策

2025年5月25日(日) 10:45 〜 12:15 103 (幕張メッセ国際会議場)

コンビーナ:加古 真一郎(鹿児島大学大学院理工学研究科)、磯辺 篤彦(九州大学応用力学研究所)、笹尾 俊明(立命館大学)、山本 雅資(神奈川大学)、座長:笹尾 俊明(立命館大学)、山本 雅資(神奈川大学)

11:15 〜 11:30

[MIS21-09] 経済研究と政策立案:プラスチック資源循環を例に

*山本 雅資1 (1.神奈川大学)

キーワード:経済学、プラスチック、政策評価、レジ袋

本セッションは他分野の学会との合同セッションであるので、研究報告に先立って、環境経済学の分野がどのような考え方で研究を行っているかを私なりに紹介したい。

経済学分野の研究をしていると、政策現場の方や他分野の研究者の方から「経済学の知見が必要なので研究プロジェクトに協力してほしい」という依頼を定期的に受ける研究者は多いのではないだろうか。特に、環境経済学のように分野横断的で、現実の問題が視覚化されやすい分野では多いのかもしれない。こうした共同作業は対象となっている環境問題の理解を進める上で大変勉強になる機会であることが多く、経済学者にとって実り多いものである。

その一方、依頼をした側からが思うような成果を感じていないのではないかと危惧することも多々ある。その理由は大きく二つある。一つは、経済学に求めるものが「プロジェクトの経済性」の検証であることである。誤解を恐れずに言えば、こうした問いは多くの場合「ある技術が導入された際に儲かるか儲からないかを試算する」ことのようである。このような個別プロジェクトの収支の問題を専門的に研究している経済学者はほとんどいないし、論文としての出口も期待できない。

もう一つは、政策評価における政策実務者との考え方の違いである。社会に広く影響をもたらす公共政策の効果を測ることは容易ではない。その大きな理由の一つが、多くの場合、実験が不可能であるためである。人々の日常生活を制限して、処置群と参照群に分けることができれば、効果測定に大きく前進するが、ランダムにそのような制限をかけることのハードルはかなり高い。実験ができない中で交絡変数の影響をどのようにして取り除いていくかについての方法論は社会科学の中で進化を続けてきたが、複雑な推定モデルに基づく効果測定は歓迎されないことが多いようだ。

最後にレジ袋有料化政策の政策効果に分析した例を報告する。我が国では2020年7月にレジ袋の有料化が全国一律に導入された。レジ袋に関連する公共政策は世界各地で実施されており、信頼できる研究結果も複数存在する。本報告ではそうした先行研究を紹介しつつ、我が国におけるレジ袋有料化の効果を検討した結果を報告する。