15:00 〜 15:15
[MIS22-06] 積雪地帯の湿地における溶存鉄動態~北海道猿払川丸山湿地の事例~
キーワード:溶存鉄、湿地、酸化還元、地下水
寒帯から亜寒帯に存在する湿地は,陸域からの溶存鉄の主要な供給源となっている.永久凍土地帯の湿地では,ごく地表付近の夏季における水文過程が溶存鉄輸送に対して支配的となる一方,積雪地帯における湿地では,一年を通じて水流動が土壌深部まで起こり得る.しかし,このような地域の湿地における溶存鉄挙動を評価した事例は少ない.そこで本報告では,北海道宗谷郡猿払村の猿払川流域内に位置する丸山湿地を対象として湿地から河川への鉄動態を通年で観測した結果を報告する.
10m深までの土壌コア分析より,深度7 m前後を境にして泥炭質土壌から鉱質土壌への遷移があると推察された.またこの深度より少し上部の深度4.4~5.4m程度の範囲では,土粒子を構成する鉄のほぼ全量が非晶質鉄であり,鉄の還元作用が強く作用する層があると推察された.さらに,地下水中の溶存鉄濃度は深度に応じて顕著に増加し,深度5.44 mでは20~40 mg/Lと高濃度の溶存鉄濃度が観測され,非晶質鉄の卓越する層の深度と符合する.一方,地表付近における土壌水の溶存鉄濃度は0.1 mの深度において平均5 mg/L程度と最も高い濃度を示すとともに季節的な変動幅が大きいのに対し,深度に応じて平均値・変動幅ともに減少する傾向がみられた.すなわち,土壌における溶存鉄濃度には深度に応じた明瞭な相違が見られ,地表と深度5m付近に2つの異なるソースがあると推察された.また,地下水の溶存鉄濃度には深部において明瞭な季節的変動が見られた.さらに,河川水の溶存鉄濃度にも季節的変動がみられ,2024年7月に最大値を取り,同年8~11月にかけては若干減少する傾向を示した.データ数は少ないものの河川水位と溶存鉄濃度との間には逆比例の関係が認められ,深部からの高濃度の溶存鉄を有する地下水流出が少なからず寄与している可能性が示唆された.
10m深までの土壌コア分析より,深度7 m前後を境にして泥炭質土壌から鉱質土壌への遷移があると推察された.またこの深度より少し上部の深度4.4~5.4m程度の範囲では,土粒子を構成する鉄のほぼ全量が非晶質鉄であり,鉄の還元作用が強く作用する層があると推察された.さらに,地下水中の溶存鉄濃度は深度に応じて顕著に増加し,深度5.44 mでは20~40 mg/Lと高濃度の溶存鉄濃度が観測され,非晶質鉄の卓越する層の深度と符合する.一方,地表付近における土壌水の溶存鉄濃度は0.1 mの深度において平均5 mg/L程度と最も高い濃度を示すとともに季節的な変動幅が大きいのに対し,深度に応じて平均値・変動幅ともに減少する傾向がみられた.すなわち,土壌における溶存鉄濃度には深度に応じた明瞭な相違が見られ,地表と深度5m付近に2つの異なるソースがあると推察された.また,地下水の溶存鉄濃度には深部において明瞭な季節的変動が見られた.さらに,河川水の溶存鉄濃度にも季節的変動がみられ,2024年7月に最大値を取り,同年8~11月にかけては若干減少する傾向を示した.データ数は少ないものの河川水位と溶存鉄濃度との間には逆比例の関係が認められ,深部からの高濃度の溶存鉄を有する地下水流出が少なからず寄与している可能性が示唆された.