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[MIS22-P09] モンゴル森林ステップの草原からカラマツ林における土壌窒素循環
キーワード:森林ステップ、有機物動態、カラマツ林、無機態窒素
モンゴル森林ステップのカラマツ林は温暖化や森林火災の頻度増加等の影響が問題となっており、従来のカラマツ林からカンバ類との混交林や草地に変わった場所や、火災後に森林が回復しない場所など様々な履歴を持つ場所が点在する。カラマツ林からの植生の変化が土壌中の養分循環に与える影響を調べるため、カラマツ林とカラマツが衰退した複数の場所で土壌断面調査および、土壌特性と土壌中に存在する窒素量や同位体比の測定を行った。その結果、それぞれの場所で採取した土壌の含水比や仮比重、細土率に違いはないが、細土の灰分率はカラマツ林や混交林に比べて草原で高く、森林では細土画分に有機物が多いと考えられた。同様に、土壌の窒素含量も森林に比べ草原で低かった。窒素循環の基質となる土壌中のTDN(Total dissolved nitrogen)は森林と草原で同程度であったが、カラマツ林やカラマツとカンバの混交林では、無機態窒素のうちアンモニア態窒素濃度が高かったのに対し、草原や火事後に森林が回復しない場所では硝酸態窒素濃度が高い傾向があった。結果より、森林が衰退すると細根リター等の土壌深部への供給がなくなり、土壌中の有機物動態や窒素循環が変化する可能性が考えられたが、その変化過程や可塑性についてさらに調査が必要である。