日本地球惑星科学連合2025年大会

講演情報

[J] ポスター発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-IS ジョイント

[M-IS23] 非破壊分析による環境復元の展開

2025年5月27日(火) 17:15 〜 19:15 ポスター会場 (幕張メッセ国際展示場 7・8ホール)

コンビーナ:天野 敦子(産業技術総合研究所)、田中 えりか(高知大学)

17:15 〜 19:15

[MIS23-P06] M6 JETSTREAMを用いた大気中での堆積物コアのマイクロXRFマッピング分析の定量性

*関 有沙1長谷川 精2久保 雄介3加藤 悠爾4 (1.信州大学 理学部、2.高知大学 理工学部、3.海洋研究開発機構 高知コア研究所、4.高知大学 海洋コア国際研究所)

キーワード:マイクロXRFマッピング、堆積物、コア、定量性、日本海、M6 JETSTREAM

過去の海洋掘削プロジェクトで得られた堆積物コアなどの貴重な試料の分析において、非破壊分析は堆積物化学組成に記録された過去の古気候・古海洋変動を復元するために有用な手法である。特に、微小領域の化学組成分析が可能なマイクロXRFマッピング分析は堆積物の構成要素を連続的に明らかにするために有用な手法であるが、これまでは比較的小さな試料(最大30cm程度)を真空環境下において分析する手法が主であり、1.5mの長さがある過去の海洋掘削で得られたレガシーコアの分析には用いることができなかった。
M6 JETSTREAM(Bruker)は試料の大きさに関わらず、最大で80cm×60cmの範囲で高解像度非破壊分析を行う機器である。試料サイズの制限がないため、1.5m長のコアも2回に分けることで分析が可能である。しかし、M6 JETSTREAMでは広域の分析が可能である反面、真空チャンバーを用いずに基本的に大気中で分析を行うため、定量性の確保が問題であった。
本研究では、日本海堆積物を用いて作成した元素濃度既知の標準試料(Dunlea et al., 2020)をM6 JETSTREAMを用いて様々な条件で分析し、その定量性を調べた。「測定時間」、「Apertureの有無」、「X線管球電圧」、「検出器と試料の距離」、「Heの吹き付けの有無」など条件を変えて分析を行い、Mg, Al, Si, S, Cl, Ar, K, Ca, Ti, V, Cr, Mn, Fe, Ni, Cu, Zn, Ga, As, Br, Rb, Sr, Y, Zr, Rh, Baの25元素のピークエリアカウントを付属のソフトウェアを用いて計算し、測定条件による違いを調べた。
その結果、測定条件により全元素のカウントが一律で変わる場合と、軽元素と重元素が異なる影響を受ける場合があることが明らかになった。また、日本海標準試料中の濃度が既知である17元素のうち、4元素で相関の良い検量線が得られた。
本研究で得られた検量線と測定条件ごとの結果の比較から、様々な条件下での未知試料の分析後すぐに大まかな濃度を推定することが可能になった。本研究のデータは他の分析結果の解釈にも活用できることが期待される。