17:15 〜 19:15
[MSD35-P01] 次期衛星ひまわり10号計画の進捗
キーワード:衛星、ひまわり、リモートセンシング、イメージャ、赤外サウンダ、気象庁
1.はじめに
気象庁で運用している静止気象衛星ひまわり8号・9号は,2029年度頃に運用を終える予定であり,2023年3月より,後継衛星であるひまわり10号の製作を,三菱電機株式会社を契約者として開始した.ひまわり10号では,従来から搭載している可視・赤外イメージャに加えて,線状降水帯に伴う集中豪雨などの監視・予測のためにハイパースペクトル赤外サウンダを新たに導入する(別所ほか,2024).本発表では,気象庁のひまわり10号の整備計画の進捗を示すとともに,ひまわり10号の観測データの利活用促進に向けた取組みなどについて紹介する.
2.ひまわり10号整備計画の進捗
気象庁は,宇宙基本計画(2023年6月13日閣議決定)に沿って,2029年度の運用開始に向け,ひまわり10号の設計・整備を進めている.2024年度には基本設計審査を実施し,具体的な設計や調達部品の性能をもとに全体の設計が解析上妥当であることの確認を行った.2025年度は詳細設計に移行する予定である.
衛星の運用形態については,現行と同じくPFI事業として実施することとしており,2024年度は同事業の概要等を記した「実施方針」を公表した.本実施方針に基づき2025年度には事業者を選定し運用事業契約を締結する計画である.
3.データの利活用促進に向けて
ひまわり観測データの利活用を促進するため,2024年度にはひまわり10号搭載の赤外サウンダの模擬観測データを提供する研究協力者の募集を行った.本取組みには,各種物理量の算出や数値予報のインパクトの確認等を目的として6件の応募があった.追加の研究協力者の募集や,最近の現象を対象とした模擬観測データの提供についても,今後,ニーズを踏まえて対応を検討していく.
また,従前より気象衛星の利用に関して強い結びつきのある豪州気象局と気象庁との間で,2024年11月11日に気象衛星の利用に関する協力覚書を締結した.この覚書により,ひまわりの観測データや観測機能のいっそうの利用や情報交換,アジア・オセアニア地域における国際協力などについて,協力して取組みを進めることとした.特に,ひまわり10号のイメージャによる高頻度機動観測機能により,豪州における森林火災や大雨などの自然災害に対して観測データを同気象局に提供することを検討している.
さらに,ひまわり10号には,赤外サウンダが新たに加わり,イメージャとあわせて,その観測データは非常に膨大になることが見込まれる.ひまわり10号の観測データを運用開始からスムーズに提供するためには,気象庁からのデータ提供に関する事前の情報提供や関係機関,利用者との調整が重要である.気象庁で観測データの提供手段やフォーマット,配信のレイテンシなど,観測データの提供に関する検討を進め,利用者に相談していきたい.
4.おわりに
ひまわりは気象業務だけでなく,国民に広く利用されており,我が国の重要な社会資本となっている.このため,ひまわり10号においても,オールジャパンで最大限の利用を図っていくことが求められている.この観点から,気象庁内の利用者だけでなく,「静止気象衛星に関する懇談会」や「ひまわりデータ利用研究推進グループ」から意見や要望を伺っている.あわせて,気象学会やJpGU等を通じて,引き続き研究者の皆さんからの意見も集約していきたい.ひまわりデータの利活用について,協力をお願いします.
参考文献
別所康太郎,安藤昭芳,隅田康彦,安部実希,2024: 静止気象衛星ひまわり10号について.天気,71,511-515.
気象庁で運用している静止気象衛星ひまわり8号・9号は,2029年度頃に運用を終える予定であり,2023年3月より,後継衛星であるひまわり10号の製作を,三菱電機株式会社を契約者として開始した.ひまわり10号では,従来から搭載している可視・赤外イメージャに加えて,線状降水帯に伴う集中豪雨などの監視・予測のためにハイパースペクトル赤外サウンダを新たに導入する(別所ほか,2024).本発表では,気象庁のひまわり10号の整備計画の進捗を示すとともに,ひまわり10号の観測データの利活用促進に向けた取組みなどについて紹介する.
2.ひまわり10号整備計画の進捗
気象庁は,宇宙基本計画(2023年6月13日閣議決定)に沿って,2029年度の運用開始に向け,ひまわり10号の設計・整備を進めている.2024年度には基本設計審査を実施し,具体的な設計や調達部品の性能をもとに全体の設計が解析上妥当であることの確認を行った.2025年度は詳細設計に移行する予定である.
衛星の運用形態については,現行と同じくPFI事業として実施することとしており,2024年度は同事業の概要等を記した「実施方針」を公表した.本実施方針に基づき2025年度には事業者を選定し運用事業契約を締結する計画である.
3.データの利活用促進に向けて
ひまわり観測データの利活用を促進するため,2024年度にはひまわり10号搭載の赤外サウンダの模擬観測データを提供する研究協力者の募集を行った.本取組みには,各種物理量の算出や数値予報のインパクトの確認等を目的として6件の応募があった.追加の研究協力者の募集や,最近の現象を対象とした模擬観測データの提供についても,今後,ニーズを踏まえて対応を検討していく.
また,従前より気象衛星の利用に関して強い結びつきのある豪州気象局と気象庁との間で,2024年11月11日に気象衛星の利用に関する協力覚書を締結した.この覚書により,ひまわりの観測データや観測機能のいっそうの利用や情報交換,アジア・オセアニア地域における国際協力などについて,協力して取組みを進めることとした.特に,ひまわり10号のイメージャによる高頻度機動観測機能により,豪州における森林火災や大雨などの自然災害に対して観測データを同気象局に提供することを検討している.
さらに,ひまわり10号には,赤外サウンダが新たに加わり,イメージャとあわせて,その観測データは非常に膨大になることが見込まれる.ひまわり10号の観測データを運用開始からスムーズに提供するためには,気象庁からのデータ提供に関する事前の情報提供や関係機関,利用者との調整が重要である.気象庁で観測データの提供手段やフォーマット,配信のレイテンシなど,観測データの提供に関する検討を進め,利用者に相談していきたい.
4.おわりに
ひまわりは気象業務だけでなく,国民に広く利用されており,我が国の重要な社会資本となっている.このため,ひまわり10号においても,オールジャパンで最大限の利用を図っていくことが求められている.この観点から,気象庁内の利用者だけでなく,「静止気象衛星に関する懇談会」や「ひまわりデータ利用研究推進グループ」から意見や要望を伺っている.あわせて,気象学会やJpGU等を通じて,引き続き研究者の皆さんからの意見も集約していきたい.ひまわりデータの利活用について,協力をお願いします.
参考文献
別所康太郎,安藤昭芳,隅田康彦,安部実希,2024: 静止気象衛星ひまわり10号について.天気,71,511-515.