15:45 〜 16:00
[MTT37-08] 2024年5月に発生した磁気嵐中における電離圏擾乱の全球測位衛星システム測位への影響の研究

本研究では、2024年5月に発生した磁気嵐(最小Dst指数 -412 nT)が引き起こした電離圏擾乱と、それが 全球測位衛星システム(GNSS)の測位精度に与えた影響を調べた。観測データとして、日本国内のGNSS観測網GEONET(GNSS Earth Observation Network System)およびオーストラリアの受信機網GEOSCIの データを用い、測位誤差、全電子数(Total Electron Content; TEC)、およびTEC変動率(Rate of TEC Index; ROTI)を計算した。
受信機間距離の平均が約30kmである最も近い2つの受信機の組合せを選定し、キネマティック測位を行い、日本全土の2024年5月8-11日の測位誤差を調査した結果、5月8-10日の3日間の測位誤差の平均はそれぞれ0.096m、0.089m、0.118mであったのに対し、5月11日の測位誤差の平均は 0.458mとなった。特に5月11日19:00-20:00 UTの1時間の誤差の平均は1.428mに達した。これは、5月8-10日と比較して最大約15倍の誤差増加を示している。愛知県豊田市(35.4oN, 137.5oE)2024年5月8日のROTIの平均は0.11 TECU/minであり、5月11日のROTIの平均は1.41 TECU/minであった。5月11日19:00-20:00 UTの1時間のROTIの平均は2.16 TECU/minに達した。このROTIの増大は、プラズマバブル内部の電子密度擾乱によるものと考えられることから、日本に到達したプラズマバブルによって測位誤差が増大したと言える。
日本とその磁気共役点であるオーストラリアにおいても、2024年5月11日に測位精度の低下が観測され、日本よりも大きな測位誤差が記録された。南緯30度以下のオーストラリアの2024年5月11日の測位誤差の平均は2.226mであり、15:00-16:00 UTの1時間の誤差の平均は4.038mに達した。
測位誤差が顕著に増加した2024年5月11日13:00-21:00 UTにおける鉛直TECの平均は、日本の盛岡市で27.2 TECU、オーストラリアのケアンズで33.9 TECUであった。また、ケアンズで最も大きな測位誤差が記録された 16:00-17:00 UTの鉛直TECは50.8 TECUであった。一方、同期間のROTIの平均は、日本の盛岡市で 2.07 TECU/min、オーストラリアのケアンズで2.04 TECU/minであり、大きな差は見られなかった。ROTIが増大する時刻と測位誤差が大きくなる時刻は良い対応が見られたが、ROTIの大きさと測位誤差の大きさは必ずしも比例しないことが明らかになった。鉛直TECが大きいオーストラリアでは、プラズマバブルによる電子密度の局所的な減少のため、測位に用いた二つの受信機で受信する電波の伝搬経路上のTECが大きく異なるため、測位誤差が大きくなったと考えられる。
受信機間距離の平均が約30kmである最も近い2つの受信機の組合せを選定し、キネマティック測位を行い、日本全土の2024年5月8-11日の測位誤差を調査した結果、5月8-10日の3日間の測位誤差の平均はそれぞれ0.096m、0.089m、0.118mであったのに対し、5月11日の測位誤差の平均は 0.458mとなった。特に5月11日19:00-20:00 UTの1時間の誤差の平均は1.428mに達した。これは、5月8-10日と比較して最大約15倍の誤差増加を示している。愛知県豊田市(35.4oN, 137.5oE)2024年5月8日のROTIの平均は0.11 TECU/minであり、5月11日のROTIの平均は1.41 TECU/minであった。5月11日19:00-20:00 UTの1時間のROTIの平均は2.16 TECU/minに達した。このROTIの増大は、プラズマバブル内部の電子密度擾乱によるものと考えられることから、日本に到達したプラズマバブルによって測位誤差が増大したと言える。
日本とその磁気共役点であるオーストラリアにおいても、2024年5月11日に測位精度の低下が観測され、日本よりも大きな測位誤差が記録された。南緯30度以下のオーストラリアの2024年5月11日の測位誤差の平均は2.226mであり、15:00-16:00 UTの1時間の誤差の平均は4.038mに達した。
測位誤差が顕著に増加した2024年5月11日13:00-21:00 UTにおける鉛直TECの平均は、日本の盛岡市で27.2 TECU、オーストラリアのケアンズで33.9 TECUであった。また、ケアンズで最も大きな測位誤差が記録された 16:00-17:00 UTの鉛直TECは50.8 TECUであった。一方、同期間のROTIの平均は、日本の盛岡市で 2.07 TECU/min、オーストラリアのケアンズで2.04 TECU/minであり、大きな差は見られなかった。ROTIが増大する時刻と測位誤差が大きくなる時刻は良い対応が見られたが、ROTIの大きさと測位誤差の大きさは必ずしも比例しないことが明らかになった。鉛直TECが大きいオーストラリアでは、プラズマバブルによる電子密度の局所的な減少のため、測位に用いた二つの受信機で受信する電波の伝搬経路上のTECが大きく異なるため、測位誤差が大きくなったと考えられる。