16:00 〜 16:15
[MTT37-09] 中緯度に到達するプラズマバブルの発生条件に関する研究: アメリカ経度域におけるGNSS観測
キーワード:電離圏、全地球測位衛星システム、GPS、プラズマバブル
電離圏電子密度が局所的に減少するプラズマバブルは、磁気赤道で発生し、高緯度方向へと広がる。近年、全地球測位衛星システム(Global Navigation Satellite System; GNSS)による全電子数(Total Electron Content; TEC)の観測により、プラズマバブルが中・高緯度域に達することが明らかになった。しかし、どのような条件下でプラズマバブルが中・高緯度に到達するかは未解明のままである。
本研究では、中緯度に達するプラズマバブルの発生条件を明らかにすることを目的とし、磁気赤道から広範囲の緯度域でGNSSデータが取得可能なアメリカ経度域(地理経度: 230~330度)を対象に解析を行った。2012年から2022年までの11年間にわたり、同地域に設置されたGNSS受信機で取得されたTECデータを用い、プラズマバブルの検出には電子密度擾乱を表す指標であるRate of TEC index (ROTI)を使用した。
その結果、磁気緯度30度以上に到達したプラズマバブルは48例、うち35度以上に達したものは13例確認された。一般に、プラズマバブルの発生頻度は磁気赤道における東向き電場の強さに依存するとされている。そこで、磁気緯度30度以上に発達したプラズマバブルの最高到達磁気緯度および極域方向への発達速度と、磁気赤道におけるF層高度および上昇速度との関係を調査した。しかし、その間に明確な相関関係は見られなかった。この結果から、磁気赤道における東向き電場やF層高度はプラズマバブルの発生確率を決定する重要な要因ではあるものの、最高到達磁気緯度には直接比例しないことが示唆される。さらに、中緯度に到達したプラズマバブルの発生時には、磁力線に沿って南北両半球のTECを足した値が、プラズマバブルが発生していない場合に比べて大きいことが明らかになった。この結果は、赤道で発生したプラズマバブル内部の電子密度が、周囲の背景電子密度と同程度になるかどうかが、プラズマバブルの最高到達緯度を決定する要因となることを示唆している。また、中緯度における南北両半球の電子密度の積分値が増加することが、プラズマバブルが中緯度に到達するための条件の一つであると考えられる。
本研究では、中緯度に達するプラズマバブルの発生条件を明らかにすることを目的とし、磁気赤道から広範囲の緯度域でGNSSデータが取得可能なアメリカ経度域(地理経度: 230~330度)を対象に解析を行った。2012年から2022年までの11年間にわたり、同地域に設置されたGNSS受信機で取得されたTECデータを用い、プラズマバブルの検出には電子密度擾乱を表す指標であるRate of TEC index (ROTI)を使用した。
その結果、磁気緯度30度以上に到達したプラズマバブルは48例、うち35度以上に達したものは13例確認された。一般に、プラズマバブルの発生頻度は磁気赤道における東向き電場の強さに依存するとされている。そこで、磁気緯度30度以上に発達したプラズマバブルの最高到達磁気緯度および極域方向への発達速度と、磁気赤道におけるF層高度および上昇速度との関係を調査した。しかし、その間に明確な相関関係は見られなかった。この結果から、磁気赤道における東向き電場やF層高度はプラズマバブルの発生確率を決定する重要な要因ではあるものの、最高到達磁気緯度には直接比例しないことが示唆される。さらに、中緯度に到達したプラズマバブルの発生時には、磁力線に沿って南北両半球のTECを足した値が、プラズマバブルが発生していない場合に比べて大きいことが明らかになった。この結果は、赤道で発生したプラズマバブル内部の電子密度が、周囲の背景電子密度と同程度になるかどうかが、プラズマバブルの最高到達緯度を決定する要因となることを示唆している。また、中緯度における南北両半球の電子密度の積分値が増加することが、プラズマバブルが中緯度に到達するための条件の一つであると考えられる。