日本地球惑星科学連合2025年大会

講演情報

[J] ポスター発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-TT 計測技術・研究手法

[M-TT37] 稠密多点GNSS観測が切り拓く地球科学の新展開

2025年5月26日(月) 17:15 〜 19:15 ポスター会場 (幕張メッセ国際展示場 7・8ホール)

コンビーナ:太田 雄策(東北大学大学院理学研究科附属地震・噴火予知研究観測センター)、藤田 実季子(国立研究開発法人 海洋研究開発機構)、大塚 雄一(名古屋大学宇宙地球環境研究所)、西村 卓也(京都大学防災研究所)

17:15 〜 19:15

[MTT37-P05] 2022年7月4-5日に高知県中西部で発生した線状降水帯の解析

*村田 文絵1、中 陽1,2佐々 浩司1 (1.高知大学理工学部、2.(株)メソッドプラス)

キーワード:線状降水帯、レーダー、GNSS可降水量

2022年7月4日深夜から5日早朝にかけて高知県中西部で線状降水帯が発生し,5時間で300mm以上の降水が生じ,浸水被害等が発生した。線状降水帯は21時半から22時半にかけて,及び0時から1時にかけて2つの降水極大をもった。高知大学のX帯偏波ドップラーレーダーのラピッドRHIセクタースキャン観測を用いて2番目の降水極大を含む線状降水帯の内部構造を観測した。120mm/h以上の強度の雨をもたらす降水極大は,特に発達した降水セルの発生と関係していた。発達した降水セルは他の降水セルより大きな水平スケールをもち,より高い降雨頂高度を持っていた。最大降雨頂高度は高度15kmに達したが,降水システムの上部はすぐ東に移流し,降水システムは東に傾いた構造を持っていた。

線状降水帯発生域の上流には山岳に挟まれた平野部が東西に横たわっている。19時頃平野部の西端の宿毛地域気象観測所において風向が北よりの風から台風の東側の暖かい南寄りの風に変化し,それに伴い,気温が2℃上昇した。一方21時頃平野部の東側のアメダス佐賀において,風向が西よりから東よりに変化し,気温が2℃上昇した。

ソフトバンクGNSS観測をGEONET観測点と共に用いて可降水量の時空間変化を調べた。線状降水帯発生時の豪雨域周辺の可降水量変動は日中の可降水量の増大に比べるとかなり小さかった。しかし地点によっては21時頃から豪雨発生時の間可降水量の増加がみられた。発表時にはSPDの解析も含めた可降水量変動と気象場,降水雲の発達との関係について解析結果を示す。