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[MTT37-P09] 超稠密 GNSS 受信機網のデータを用いたスポラディック E の形状と運動の可視化

キーワード:電離圏、スポラディック E、GNSS
スポラディック E (Sporadic E: Es) は, 電離圏 E 領域の高度 100 km 付近で突発的に電子密度が増大する現象である. Es が発生すると, 通常は電離圏を突き抜けていく VHF 帯の電波が電離圏で反射してしまうことにより異常長距離伝搬が発生し, 意図しない遠方からの電波が近隣からの所望波と混信する可能性が指摘されている. Es は, イオノゾンデや船舶や航空用 VHF 帯電波の長距離異常伝搬を用いて観測されてきた. 本研究では Es の形状と運動の可視化を行うことを目的として, GNSS 受信機網を用いた Es の 2 次元的な可視化を行う. これまでの研究でもGNSS を用いた観測は行われてきたが, データポイントの数が少なく空間解像度が相対的に低かったため, Es の形状や運動を正確に把握することが困難であった.
このような状況を踏まえ, 本研究ではソフトバンク株式会社が国内 3,300 以上の地点において運用している ichimill GNSS 受信機網のデータを用いた Es の可視化を行なった. 具体的には, 2022 年 7 月 4 日に発生した Es 事例について, GNSS 受信機網による全電子数 (Total Electron Content: TEC) から導き出された電子密度擾乱指数 (Rate Of TEC Index: ROTI) を電子密度擾乱の発生高度を 100 km と仮定することによって地図上にマップし, Es の空間構造の可視化を試みた. その結果, Es の空間スケールや速度を明らかにするだけでなく, Es の動きのトラッキングが可能であることを示した. 具体的には, Es の速度は経度断面解析の画像から求めた結果と, Es の動きのトラッキングから求めた速度がどちらも 約 105 m/s となり両者に整合性が見られた. また, 観測されたパッチ状のEs の塊の空間スケールは東西方向と南北方向共に 70 km 程度となり, Es パッチの移動方向は, Es が発生した直後は真北や北西の方角であるのに対して, 消滅する直前では移動方向が北東の方角に変化していることが明らかになった. さらに, 本研究によって可視化された Es の移動特性は, GAIA モデルの中性風を用いた金属イオンの集積に関する数値シミュレーションによって導き出された予測とおおよそ一致することもわかった. これらの結果から, 超稠密 GNSS 受信機網を用いることで, Es の形態と移動特性の可視化を詳細に行えることが実証された.
発表では, 空間スケールや速度の時間変化, および, 他のイベントの解析や統計解析の結果を示し GAIA モデルを用いたシミュレーションの結果と比較する予定である.
本研究で使用したソフトバンクの独自基準点の後処理解析用データは,「ソフトバンク独自基準点のデータの宇宙地球科学用途利活用コンソーシアム」の枠組みを通じて, ソフトバンク株式会社および ALES 株式会社より提供を受けたものを使用しました.
このような状況を踏まえ, 本研究ではソフトバンク株式会社が国内 3,300 以上の地点において運用している ichimill GNSS 受信機網のデータを用いた Es の可視化を行なった. 具体的には, 2022 年 7 月 4 日に発生した Es 事例について, GNSS 受信機網による全電子数 (Total Electron Content: TEC) から導き出された電子密度擾乱指数 (Rate Of TEC Index: ROTI) を電子密度擾乱の発生高度を 100 km と仮定することによって地図上にマップし, Es の空間構造の可視化を試みた. その結果, Es の空間スケールや速度を明らかにするだけでなく, Es の動きのトラッキングが可能であることを示した. 具体的には, Es の速度は経度断面解析の画像から求めた結果と, Es の動きのトラッキングから求めた速度がどちらも 約 105 m/s となり両者に整合性が見られた. また, 観測されたパッチ状のEs の塊の空間スケールは東西方向と南北方向共に 70 km 程度となり, Es パッチの移動方向は, Es が発生した直後は真北や北西の方角であるのに対して, 消滅する直前では移動方向が北東の方角に変化していることが明らかになった. さらに, 本研究によって可視化された Es の移動特性は, GAIA モデルの中性風を用いた金属イオンの集積に関する数値シミュレーションによって導き出された予測とおおよそ一致することもわかった. これらの結果から, 超稠密 GNSS 受信機網を用いることで, Es の形態と移動特性の可視化を詳細に行えることが実証された.
発表では, 空間スケールや速度の時間変化, および, 他のイベントの解析や統計解析の結果を示し GAIA モデルを用いたシミュレーションの結果と比較する予定である.
本研究で使用したソフトバンクの独自基準点の後処理解析用データは,「ソフトバンク独自基準点のデータの宇宙地球科学用途利活用コンソーシアム」の枠組みを通じて, ソフトバンク株式会社および ALES 株式会社より提供を受けたものを使用しました.