15:35 〜 15:50
[MTT38-01] 桜島噴煙のモニタリングプラットフォーム -新たな展開-
キーワード:桜島火山噴火、噴煙柱、降下火砕物、リモートセンシング
桜島では,これまで様々な大学や研究機関がそれぞれの目的にあった観測機器により噴煙のモニタリングがおこなわれてきた.しかしながら各観測は必ずしも連携したものではなかった.そこで真木ほか(2022,JpGU)は「桜島噴煙モニタリングプラットフォーム」(以下,噴煙プラットフォーム)において各研究機関の連携を提案した.
噴煙プラットフォームで利用する手段や機器としては地上サンプリング,ディスドロメータ,空振計,監視カメラ,ドローン,レーダなどがある.即時性と空間的な広がりを把握できるという観点からレーダは噴煙プラットフォームにおける有力な機器の一つである.真木ほか(2023a)は様々なタイプのレーダを用いて火山噴火に伴う現象を定量的かつ時空間を連続して観測する方法をレーダマルチセンシングと定義した(図1参照).マルチセンシングのターゲットは,爆発,噴煙柱・噴煙,火砕流,火砕物(火山灰,火山礫,火山岩塊)の降下などである.
レーダマルチセンシングは噴煙プラットフォームの中の重要な観測機器であることからその具体的な利用方法に関する共同研究(2023年度~2024年度)が鹿児島大学と京都大学防災研究所などにより進められた.共同研究の成果の一つとしてマルチセンシングシミュレータの開発がある(Kobori et al., 2025).マルチセンシングシミュレータはプロトタイプではあるが1台および複数台のレーダによる噴煙柱や降下火砕物の最適な観測モードを提案する.もう一つの成果は専門分野の異なる17名の研究者,11の大学・研究機関の連携がプラットフォームの構築に向けて開始されたことである.
観測データの公開を通じた大学・研究機関の連携は次世代火山研究プロジェクトの中でおこなわれた.具体的には顕著な過去の桜島噴火事例について,船舶レーダ(鹿児島大・光電製作所・北大・FRS),小型XバンドMPレーダ(京大防災研),現業XバンドMPレーダ(国土交通省),Kaバンドドップラーレーダ(防災科研),タイムラップスカメラ画像(熊本大,防災研)などの観測結果がwebサイトVASHで公開されている(真木ほか,2023b).さらにVASHで公開している情報は「次世代火山研究推進事業」のJapan Volcanological Data Network (JVDN)に提供されている.
2025年にはレーダマルチセンシングに火山防災を目的に4式の固体化船舶レーダが導入される.このレーダの特徴として0.1秒の精度で同期した観測が可能なこと,観測結果をリアルタイムでクラウド上に配信できることが挙げられる.今後,これまでオフラインでおこななわれていた京大防災研の小型XMPや国土交通省の現業用XMPレーダのデータ解析がリアルタイム処理できるようになれば,レーダマルチセンシングにより得られる噴火時刻,噴煙高度,噴出率などの噴火ソースパラメータを準リアルタイムでユーザーに届けられるようになる.噴煙モニタリングプラットフォームは火山防災という観点から新たなステージに入った.
謝辞:JSPS科研費(課題22K03760),京大防災研「一般共同研究」・文科省「次世代火山研究・人材育成プロジェクト(JPJ005391)」の助成を受けた.また, DIAS(データ統合・解析システム)のデータを使用した.
噴煙プラットフォームで利用する手段や機器としては地上サンプリング,ディスドロメータ,空振計,監視カメラ,ドローン,レーダなどがある.即時性と空間的な広がりを把握できるという観点からレーダは噴煙プラットフォームにおける有力な機器の一つである.真木ほか(2023a)は様々なタイプのレーダを用いて火山噴火に伴う現象を定量的かつ時空間を連続して観測する方法をレーダマルチセンシングと定義した(図1参照).マルチセンシングのターゲットは,爆発,噴煙柱・噴煙,火砕流,火砕物(火山灰,火山礫,火山岩塊)の降下などである.
レーダマルチセンシングは噴煙プラットフォームの中の重要な観測機器であることからその具体的な利用方法に関する共同研究(2023年度~2024年度)が鹿児島大学と京都大学防災研究所などにより進められた.共同研究の成果の一つとしてマルチセンシングシミュレータの開発がある(Kobori et al., 2025).マルチセンシングシミュレータはプロトタイプではあるが1台および複数台のレーダによる噴煙柱や降下火砕物の最適な観測モードを提案する.もう一つの成果は専門分野の異なる17名の研究者,11の大学・研究機関の連携がプラットフォームの構築に向けて開始されたことである.
観測データの公開を通じた大学・研究機関の連携は次世代火山研究プロジェクトの中でおこなわれた.具体的には顕著な過去の桜島噴火事例について,船舶レーダ(鹿児島大・光電製作所・北大・FRS),小型XバンドMPレーダ(京大防災研),現業XバンドMPレーダ(国土交通省),Kaバンドドップラーレーダ(防災科研),タイムラップスカメラ画像(熊本大,防災研)などの観測結果がwebサイトVASHで公開されている(真木ほか,2023b).さらにVASHで公開している情報は「次世代火山研究推進事業」のJapan Volcanological Data Network (JVDN)に提供されている.
2025年にはレーダマルチセンシングに火山防災を目的に4式の固体化船舶レーダが導入される.このレーダの特徴として0.1秒の精度で同期した観測が可能なこと,観測結果をリアルタイムでクラウド上に配信できることが挙げられる.今後,これまでオフラインでおこななわれていた京大防災研の小型XMPや国土交通省の現業用XMPレーダのデータ解析がリアルタイム処理できるようになれば,レーダマルチセンシングにより得られる噴火時刻,噴煙高度,噴出率などの噴火ソースパラメータを準リアルタイムでユーザーに届けられるようになる.噴煙モニタリングプラットフォームは火山防災という観点から新たなステージに入った.
謝辞:JSPS科研費(課題22K03760),京大防災研「一般共同研究」・文科省「次世代火山研究・人材育成プロジェクト(JPJ005391)」の助成を受けた.また, DIAS(データ統合・解析システム)のデータを使用した.