日本地球惑星科学連合2025年大会

講演情報

[J] ポスター発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-ZZ その他

[M-ZZ40] プラネタリーディフェンス-国際的な取り組みと協力

2025年5月29日(木) 17:15 〜 19:15 ポスター会場 (幕張メッセ国際展示場 7・8ホール)

コンビーナ:吉川 真(宇宙航空研究開発機構)、Michel Patrick(Universite Cote D Azur Observatoire De La Cote D Azur CNRS Laboratoire Lagrange)、奥村 真一郎(NPO法人日本スペースガード協会)


17:15 〜 19:15

[MZZ40-P03] 破壊を伴う衝突により小惑星の速度はどのようにかわるのか

*西尾 峻人1大槻 圭史1、杉浦 圭祐2 (1.神戸大学大学院理学研究科、2.三菱電機先端技術総合研究所)

キーワード:衝突、小惑星、プラネタリーディフェンス

小天体の力学・衝突進化過程は太陽系形成過程を理解する上で重要な基礎過程である。衝突に伴う天体の速度変化は太陽系外縁などで観測されているバイナリーの破壊等にも関係するため、重要である。我々はSPHコードを用いて衝突・再集積シミュレーションを行い、その結果形成される最大天体の持つ速度を調べた。標的天体には半径50kmの玄武岩球を用いた。シミュレーションの結果、衝突により最大天体が受ける速度変化は二天体の質量比(インパクター質量/標的質量)および破壊規模(最大天体方の流出質量/二体の総質量)に強く依存することが分かった。破壊規模が小さく、DARTミッションで実施された宇宙衝突実験の場合の様に質量比が小さな衝突では、衝突点付近から衝突速度方向逆向きに放出されるエジェクタの効果により、衝突速度方向への加速が完全合体の時よりも大きくなる。一方、質量比が十分大きければむしろ完全合体時に受ける速度変化(=衝突前のインパクター運動量/二体の総質量)よりも小さな速度変化を得ることが分かった。それに対して、カタストロフィック破壊が起こるような衝突では、程度の差はあるものの、小規模破壊時に受ける速度変化よりも小さな速度変化を得ることが分かった。これらの効果は小惑星の力学進化の過程を考える上で重要となりうる。