17:15 〜 19:15
[MZZ43-P05] 高知県黒潮町の入野城跡から出土した中世土師質土器の考古地磁気学的研究
入野城跡は、高知県黒潮町に位置する中世の山城跡である。この遺跡は、文献史学的所見等より、15~16世紀にかけて一帯に権勢を誇った土豪の入野氏の居城跡に比定されている。本遺跡では、宅地の高台移転が計画された事に伴い、2016~2017年にかけて緊急発掘調査が行われた。その背景には、東北地方太平洋沖地震による被害を踏まえた、南海トラフ地震被害想定における津波高の改定が関係している。発掘調査の結果、二ノ段・詰ノ段をはじめとする各種遺構が検出された。出土遺物に関しては、特に土師質土器片が多数出土したことが報告されている。本研究では、これらのうち、二ノ段・詰ノ段西・詰ノ段東の3地点から出土した土器片群に対して様々な考古地磁気学的分析を実施した。これにより、従来の考古学的手法とは異なる新たな自然科学的手法に立脚した出土遺物・遺構の評価を試みた。特に、これまでにない文化財の有効活用を期して、土器の特徴が捉えやすい口縁部や底部ではない、考古学的視点では比較的価値低い多数の土器片を対象とした.
各地点2試料について段階熱消磁を行った結果、自然残留磁化が直線的に消磁された試料が4例、300~460℃付近で湾曲・屈曲しながら消磁された試料が2例観察された。これらの消磁挙動は、土器製作時の焼成技法や燭台などとしての土器使用の実態を反映していると考えられる。
磁気ヒステリシス分析を行ったところ、ヒステリシスパラメータは、詰ノ段東の試料群はやや異なる傾向を示したが、二ノ段と詰ノ段西は近接していた。両試料群の使用胎土及び焼成環境の類似性が示唆される。試料間の岩石磁気特性が類似する場合、自然残留磁化(NRM)と帯磁率の比は、土器焼成時の地磁気強度の指標になり得る。この比は、二ノ段の試料群が詰ノ段西の試料群よりも大きい傾向を示した。先行研究からは、日本周辺では15世紀から16世紀にかけて地磁気強度は減少傾向にあったことが示唆されていることから、遺構形成年代は二ノ段の方が相対的に古い可能性が考えられる。
各地点2試料について段階熱消磁を行った結果、自然残留磁化が直線的に消磁された試料が4例、300~460℃付近で湾曲・屈曲しながら消磁された試料が2例観察された。これらの消磁挙動は、土器製作時の焼成技法や燭台などとしての土器使用の実態を反映していると考えられる。
磁気ヒステリシス分析を行ったところ、ヒステリシスパラメータは、詰ノ段東の試料群はやや異なる傾向を示したが、二ノ段と詰ノ段西は近接していた。両試料群の使用胎土及び焼成環境の類似性が示唆される。試料間の岩石磁気特性が類似する場合、自然残留磁化(NRM)と帯磁率の比は、土器焼成時の地磁気強度の指標になり得る。この比は、二ノ段の試料群が詰ノ段西の試料群よりも大きい傾向を示した。先行研究からは、日本周辺では15世紀から16世紀にかけて地磁気強度は減少傾向にあったことが示唆されていることから、遺構形成年代は二ノ段の方が相対的に古い可能性が考えられる。