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[MZZ44-04] 中部太平洋のマンガンクラストのヘリウム同位体とベリリウム-10年代
キーワード:マンガンクラスト、ミクロネシア連邦、ヘリウム同位体、ベリリウム-10年代
深海底には石油や天然ガスなどの有機物資源と有用金属を含む鉱物や泥等の無機物資源が存在する。海底鉱物資源はマンガン団塊、マンガンクラスト、海底熱水鉱床に分類される。これらの産状と成因は異なり、含まれる金属も大きく異なる。マンガンクラストはマンガン団塊と類似の鉄・マンガン酸化物であり、有用金属としてニッケル、コバルト、銅を含むことが知られている。その産状は海山の斜面や頂部の玄武岩や石灰岩などの基盤を絨毯状に路面のアスファルトのように覆っている。その厚さは場所により異なるが、5cm〜15cmのことが多い。マンガンクラストはマンガン団塊とともに海水が起源となり生成する堆積性の鉱床と考えられる。したがって、堆積時の海水の化学組成を反映することから、海洋環境を記録するアーカイブとも言える。
希ガス元素は化学的に不活性であり、拡散や混合、分配、放射壊変など物理的要因で試料中の濃度や同位体比が変動する。そのなかでもヘリウム同位体比は地殻で低く、マントルで高いという大きな変動を示すため、地球化学における重要なパラメータとなっている。実際に中央海嶺や沈み込み帯など全球レベルのジオテクトニクス [1] だけでなく、石油・天然ガスの起源 [2] や火山活動の推移予測 [3] など地球惑星科学の幅広い分野で使われている。我々は先に述べた深海底の鉱物資源を対象として、これまで熱水鉱床鉱物とマンガン団塊のヘリウム同位体比を測定してきた [4,5]。本研究では、マンガンクラストの成長に伴うヘリウム同位体比の変動に注目して分析を開始した。試料は中央太平洋のミクロネシア連邦のEEZ内の海山頂部において深海底鉱物資源探査(SOPAC調査)のプロジェクトとして第二白嶺丸により採取されたものである。ヘリウム同位体とあわせて、成長方向の堆積速度を調べるために加速器質量分析計を用いてBe-10年代を測定した。さらにヘリウム-4を放射壊変で生成するウランやトリウム濃度をLA-ICPMSにより測定した。本研究では、これらの結果を合わせて海底のヘリウム同位体比の年代変化について報告する。
文献 [1] Sano & Wakita, 1985, J. Geophys. Res. 90, 8729-8741. [2] Wakita & Sano, 1983, Nature 305, 792-794. [3] Kagoshima et al., 2019, G-cubed 20, 2019GC008544. [4] Ooki et al., 2016, G-cubed 17, 2016GC006360. [5] Sano et al., 1985, Nature 317, 518-520.
希ガス元素は化学的に不活性であり、拡散や混合、分配、放射壊変など物理的要因で試料中の濃度や同位体比が変動する。そのなかでもヘリウム同位体比は地殻で低く、マントルで高いという大きな変動を示すため、地球化学における重要なパラメータとなっている。実際に中央海嶺や沈み込み帯など全球レベルのジオテクトニクス [1] だけでなく、石油・天然ガスの起源 [2] や火山活動の推移予測 [3] など地球惑星科学の幅広い分野で使われている。我々は先に述べた深海底の鉱物資源を対象として、これまで熱水鉱床鉱物とマンガン団塊のヘリウム同位体比を測定してきた [4,5]。本研究では、マンガンクラストの成長に伴うヘリウム同位体比の変動に注目して分析を開始した。試料は中央太平洋のミクロネシア連邦のEEZ内の海山頂部において深海底鉱物資源探査(SOPAC調査)のプロジェクトとして第二白嶺丸により採取されたものである。ヘリウム同位体とあわせて、成長方向の堆積速度を調べるために加速器質量分析計を用いてBe-10年代を測定した。さらにヘリウム-4を放射壊変で生成するウランやトリウム濃度をLA-ICPMSにより測定した。本研究では、これらの結果を合わせて海底のヘリウム同位体比の年代変化について報告する。
文献 [1] Sano & Wakita, 1985, J. Geophys. Res. 90, 8729-8741. [2] Wakita & Sano, 1983, Nature 305, 792-794. [3] Kagoshima et al., 2019, G-cubed 20, 2019GC008544. [4] Ooki et al., 2016, G-cubed 17, 2016GC006360. [5] Sano et al., 1985, Nature 317, 518-520.