日本地球惑星科学連合2025年大会

講演情報

[J] 口頭発表

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[O-03] これだけは知っておきたい海洋プラスチック汚染

2025年5月25日(日) 13:45 〜 15:15 展示場特設会場 (5) (幕張メッセ国際展示場 7・8ホール)

コンビーナ:中井 仁(小淵沢総合研究施設)、磯辺 篤彦(九州大学応用力学研究所)、加古 真一郎(鹿児島大学大学院理工学研究科)、日向 博文(愛媛大学)、座長:日向 博文(愛媛大学)、磯辺 篤彦(九州大学応用力学研究所)、加古 真一郎(鹿児島大学大学院理工学研究科)

14:35 〜 15:00

[O03-03] 日本の海岸利用者が年間に出すプラスチックごみの量は?

★招待講演

*日向 博文1 (1.愛媛大学)

キーワード:プラスチック、海岸、海岸利用者

海岸や沿岸地域は貴重な観光資源を提供しています、同時に海洋マイクロプラスチックの主な発生源でもあります。海岸におけるプラスチックごみの蓄積は、海洋環境における将来のマイクロプラスティック量に大きな影響を与えると言われています。これまでの研究では、主に海岸にあるプラスチックごみ量(海岸からでたごみと漂着ごみ)を計測してきましたが、海岸の利用者が日常的に発生させるごみ量や、ごみ発生率(単位:g/人・時間,または個/人・時間の)については、分からないことが沢山残っています。発表者の研究チームでは、新しい手法を用いて、ごみ発生率や日本全国の海岸から出るごみ量を推定しています。2021年から2023年の夏と秋冬に,人気のある4つの海岸で調査を行いました。海岸利用者が出したプラスチックごみを回収し個数や重さを計測しました。また、写真撮影やビデオ撮影を行い、当日の海岸利用者人数を計測することで、ごみ発生率を見積もりました。重さでは,夏期(秋・冬期)の発生率は0.178(0.128)~1.10(0.453)g/人・時間でした。これは、おおよそ1人が1時間に1本のタバコの吸い殻を捨てることに相当します。個数で見ると、0.064(0.042)から0.196(0.122)個/人・時間でした。携帯ビッグデータを活用し、日本全国770海岸の滞在人数時間を調べ、調査からもとめた発生率をかけることで,海岸利用者が出したプラスチックごみ量を世界で初めて推定しました。計算の結果、平均重量(個数)は12.50トン/年(280万個/年)と見積もられ、誤差を考慮すると6.54~18.40トン/年(170~389万個/年)の範囲に収まることが分かりました。これらの結果は、将来、効果的な海岸清掃の方法やその効果の評価に役立つと考えられます。