日本地球惑星科学連合2025年大会

講演情報

[J] 口頭発表

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[O-05] 変動帯の地質と文化

2025年5月25日(日) 09:00 〜 10:30 展示場特設会場 (5) (幕張メッセ国際展示場 7・8ホール)

コンビーナ:鈴木 寿志(大谷大学)、川村 教一(兵庫県立大学大学院 地域資源マネジメント研究科)、先山 徹(NPO法人地球年代学ネットワーク 地球史研究所)、座長:先山 徹(NPO法人地球年代学ネットワーク 地球史研究所)、鈴木 寿志(大谷大学)

09:00 〜 09:25

[O05-01] 讃岐ジオパーク構想の食と地質資源

★招待講演

*長谷川 修一1 (1.香川大学)

キーワード:ジオパーク、美食、讃岐平野、瀬戸内海

讃岐ジオパーク構想推進準備委員会(委員長:長谷川修一)は、香川県全域のユネスコ世香川県全域のユネスコ世界ジオパーク認定をめざす活動の一環として、地域の食文化と大地の成り立ちとのつながりに焦点を当てたジオ・ガストロノミーツーリズムの活動を行っている。ジオ・ガストロノミーツーリズムは、その土地の唯一無二の食文化は、その地域の大地の成り立ちに由来することに注目して、その土地でしか出会えない美食と絶景とつながりを、ジオの視点から深く味わう知的な体験である。また、この活動によって、地域住民のアイデンティティと地域への愛着の醸成につながることを目指している。
2023年度は香川県観光協協会が申請者となって、観光庁の令和5年度「地域一体型ガストロノミーツーリズムの推進事業」に応募し、「地球大変動(ジオ)の恵みである海の幸と陸の幸をマリアージュした世界で唯一無二のせとうち讃岐ジオ・ガストロノミーツーリズムの推進」が採択された。採択された13件のうちジオの視点があるのはここだけである。
本事業では、農林水産業の1次生産者、レストラン・旅館・ホテル・交通事業者や研究機関、行政機関などから構成される「せとうち讃岐ジオ・ガストロノミーツーリズム研究会」を立ち上げ、香川大学、ジオリブ研究所、穴吹トラベルがコアとなって、資源・人材調査、ガイド養成講座、モデルツアー造成、ジオグルメ発表会等を実施した。
せとうち讃岐のジオ・ガストロノミーの地質資源と食は以下のように要約される。 1億年前:花崗岩を造った大規模なマグマの活動  風化花崗岩(マサ)の土砂災害⇒土石流扇状地の荒れ地を逆手に取った盆栽、オリーブ⇒白砂青松の砂浜・干潟⇒塩田⇒醤油
 花崗岩の石のコアストーン⇒大坂城石垣の丁場⇒醤の伝来から醤油づくりへ 1400万年前:日本海拡大直後の瀬戸内火山活動とその後の侵食  ⇒寒霞渓、屋島、飯野山等の造形美⇒山麓の崖錐斜面で柑橘、桃、キウイ等の果樹栽培
 ⇒旧石器時代からサヌカイト等の石の文化:サヌカイトは讃岐の食文化の原点)
 ⇒四国山地の地下における花崗岩の形成と隆起⇒雨の少ない瀬戸内気候区 300万年前以降:中央構造線の右横ずれ断層運動  ⇒吉野川の東流⇒讃岐山脈の隆起⇒更に少雨で水持ちの悪い扇状地⇒ため池文化
 ⇒裏作として小麦の産地⇒水車による製粉⇒扇状地に伏流水⇒讃岐うどん
 ⇒讃岐山脈の地すべり地形でソバ・高原野菜、讃岐平野の扇状地で裏作の野菜栽培
 ⇒瀬戸内海の沈降と灘と瀬戸の凹凸の生成 1万年前からの瀬戸内海の形成  ⇒瀬戸:早い潮流で筋肉質のタイ、砂地を好むタコ、ヒラメ、砂地の塩田⇒醤油
⇒灘:泥質を好むアナゴ、ハモ、いりこ⇒出汁⇒讃岐うどん