17:15 〜 19:15
[O05-P03] 浅間山の鬼伝説にみる火山の影響
★招待講演
キーワード:鬼押出し、浅間山の鬼伝説
群馬県と長野県にまたがる浅間山の北面には、過去の噴火活動によって流れ出た溶岩からなる奇岩景勝地がある。この溶岩は、鬼が火口で暴れて押し出したようだと言われることから「鬼押出し溶岩」と呼ばれている。
浅間山は火口から常時噴気している活火山で、これまでに爆発的な噴火を繰り返してきた。昔の人は、浅間山が噴火すると「鬼が暴れた」と言った。噴気の盛んな地熱地帯には「地獄谷」と呼ばれる地名が存在するが、火口から煙を立ち上らせ噴火を繰り返す浅間山の姿もまた、鬼の棲む地獄のイメージと重なるところがあるだろう。
浅間大明神の別当を名乗る延命寺に伝えられたという「上州浅間嶽虚空蔵菩薩略縁起」には、浅間山の岩穴に閉じ込められた鬼が登場する。
伝説によれば、「鎌原幸重が浅間山に登った時、岩穴に閉じ込められている鬼に遭遇した。鬼は『日本を覆そうとしたら、この山の主に封じ込められてしまった。助けてくれるなら善鬼になって浅間山をお守りする』と涙を流して言った。幸重は鬼を助けて鬼神堂を建てた」という。
鬼の伝説と言えば桃太郎の鬼退治が広く知られているが、源頼光(酒呑童子伝説)や平維茂(紅葉伝説)、坂上田村麻呂(鬼死骸伝説)が鬼を退治したという話も伝わっている。このような伝説の中に登場する鬼は、悪事を働く者や敵対者として描かれ、英雄に退治されるという構図になっている。鬼は中央政権の支配に抵抗する勢力を象徴し、討伐の対象となる。
ところが浅間山の鬼伝説では、岩穴に閉じ込められた鬼は改心を示し、幸重は鬼を助けて鬼神堂を建て、浅間山の守り神として祀っている。浅間山の鬼伝説がこのようになっているのは、鬼が火山の象徴として描かれているからだろう。
人間は普段、火山から様々な恵みを受け取りながら暮らしている。しかしひとたび噴火が起これば、それを人間の力で止めることはできない。幸重は鬼を、人間に恩恵も災害ももたらす火山の象徴と見ておそれ、祈りの対象として祀ったと考えられる。
浅間山は火口から常時噴気している活火山で、これまでに爆発的な噴火を繰り返してきた。昔の人は、浅間山が噴火すると「鬼が暴れた」と言った。噴気の盛んな地熱地帯には「地獄谷」と呼ばれる地名が存在するが、火口から煙を立ち上らせ噴火を繰り返す浅間山の姿もまた、鬼の棲む地獄のイメージと重なるところがあるだろう。
浅間大明神の別当を名乗る延命寺に伝えられたという「上州浅間嶽虚空蔵菩薩略縁起」には、浅間山の岩穴に閉じ込められた鬼が登場する。
伝説によれば、「鎌原幸重が浅間山に登った時、岩穴に閉じ込められている鬼に遭遇した。鬼は『日本を覆そうとしたら、この山の主に封じ込められてしまった。助けてくれるなら善鬼になって浅間山をお守りする』と涙を流して言った。幸重は鬼を助けて鬼神堂を建てた」という。
鬼の伝説と言えば桃太郎の鬼退治が広く知られているが、源頼光(酒呑童子伝説)や平維茂(紅葉伝説)、坂上田村麻呂(鬼死骸伝説)が鬼を退治したという話も伝わっている。このような伝説の中に登場する鬼は、悪事を働く者や敵対者として描かれ、英雄に退治されるという構図になっている。鬼は中央政権の支配に抵抗する勢力を象徴し、討伐の対象となる。
ところが浅間山の鬼伝説では、岩穴に閉じ込められた鬼は改心を示し、幸重は鬼を助けて鬼神堂を建て、浅間山の守り神として祀っている。浅間山の鬼伝説がこのようになっているのは、鬼が火山の象徴として描かれているからだろう。
人間は普段、火山から様々な恵みを受け取りながら暮らしている。しかしひとたび噴火が起これば、それを人間の力で止めることはできない。幸重は鬼を、人間に恩恵も災害ももたらす火山の象徴と見ておそれ、祈りの対象として祀ったと考えられる。