10:45 〜 11:00
[O07-07] 漁師の性別は海にとって重要?―地域水産業の持続可能性とジェンダーの関わりを科学する―
★招待講演
キーワード:水産業、沿岸漁業、ジェンダー、持続可能性
近年、性別に関わらず人々が責任・権利・機会を分かち合う「ジェンダー平等」の推進に向けた取り組みが、幅広い国・地域と産業において進められている。日本国内の水産業も例外ではなく、2022年に策定された水産基本計画(第5期)では「年齢、性別、国籍等によらず地域の水産業を支える多様な人材が活躍できるよう」支援する方針が示されており、これまでに加工品の開発や販路拡大、女性グループの起業化支援、漁労環境の機械化など、漁村女性の活躍に向けた支援が多岐に渡って実施されてきた。しかし、こうした水産業におけるジェンダーの取組みを進めることは、水産業を通じた海の利用に対してはどのような影響をもたらすのだろうか。多様な性別の漁業・水産業従事者が活躍することは、人間だけでなく、海にとっても重要なことなのだろうか。
本研究では、国内の5つの事例研究を通じて、多様な性別の関係者が関わることで水産業の現場に起きた変化について報告する。事例は以下の5つである:①千葉県 天羽漁業協同組合:夫婦船操業 ②長崎県 (株)天洋丸:「一年漁師」事業を通じた女性漁師のまき網漁への就業 ③福岡県 ひびき灘漁業協同組合岩屋支所:あかもく資源の利用と管理 ④茨城県 大洗町漁業協同組合:漁協女性部による食堂「かあちゃんの店」の運営 ⑤富山県 新湊漁業協同組合:女性組合長就任。
各事例の関係者を対象に、事例の影響に関する半構造化インタビューを行った結果、これらの事例は、漁業者の減少・後継者不足への対策や地域の雇用創出(社会的持続可能性)、水産資源利用の多様化や資源の高付加価値化(経済的持続可能性)、女性の安全配慮と相乗した休漁日遵守、女性の知見を活用した資源の順応的管理(環境的持続可能性)といった、持続可能性への多面的な貢献をもたらしていた。異なる性別グループの関係者は、特定の性別(例:女性、男性)として暮らす中で、異なる知識・技術を身に着け、異なるネットワークを構築していることがある。漁業・水産業従事者(※漁師/漁業就業者(漁業の海上作業に年間30日以上従事した者)を含む、広義の漁業・水産業に関わる人材)の性別が多様化することで、性別に基づく異なる知識・技術・ネットワークを最大限に活用され、地域水産業の持続可能性向上に貢献したものと考えられる。漁業・水産業従事者の性別が多様化することで、水産業における海の持続的な利用が強化される可能性があることから、海にとっても漁業・水産業従事者の性別は重要であるという見方ができる。
今後は、より多様な性別グループの参画や、性別以外の属性(年齢・国籍・出身・家族構成・婚姻状況等)によって引き起こされる課題についても明らかにしたい。
本研究では、国内の5つの事例研究を通じて、多様な性別の関係者が関わることで水産業の現場に起きた変化について報告する。事例は以下の5つである:①千葉県 天羽漁業協同組合:夫婦船操業 ②長崎県 (株)天洋丸:「一年漁師」事業を通じた女性漁師のまき網漁への就業 ③福岡県 ひびき灘漁業協同組合岩屋支所:あかもく資源の利用と管理 ④茨城県 大洗町漁業協同組合:漁協女性部による食堂「かあちゃんの店」の運営 ⑤富山県 新湊漁業協同組合:女性組合長就任。
各事例の関係者を対象に、事例の影響に関する半構造化インタビューを行った結果、これらの事例は、漁業者の減少・後継者不足への対策や地域の雇用創出(社会的持続可能性)、水産資源利用の多様化や資源の高付加価値化(経済的持続可能性)、女性の安全配慮と相乗した休漁日遵守、女性の知見を活用した資源の順応的管理(環境的持続可能性)といった、持続可能性への多面的な貢献をもたらしていた。異なる性別グループの関係者は、特定の性別(例:女性、男性)として暮らす中で、異なる知識・技術を身に着け、異なるネットワークを構築していることがある。漁業・水産業従事者(※漁師/漁業就業者(漁業の海上作業に年間30日以上従事した者)を含む、広義の漁業・水産業に関わる人材)の性別が多様化することで、性別に基づく異なる知識・技術・ネットワークを最大限に活用され、地域水産業の持続可能性向上に貢献したものと考えられる。漁業・水産業従事者の性別が多様化することで、水産業における海の持続的な利用が強化される可能性があることから、海にとっても漁業・水産業従事者の性別は重要であるという見方ができる。
今後は、より多様な性別グループの参画や、性別以外の属性(年齢・国籍・出身・家族構成・婚姻状況等)によって引き起こされる課題についても明らかにしたい。
