日本地球惑星科学連合2025年大会

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[O-10] 【防災学術連携体共催】阪神・淡路大震災から30年-教訓と進展

2025年5月25日(日) 13:45 〜 15:15 展示場特設会場 (4) (幕張メッセ国際展示場 7・8ホール)

コンビーナ:吾妻 崇(国立研究開発法人産業技術総合研究所)、松島 信一(京都大学防災研究所)、田村 和夫卜部 厚志(新潟大学災害・復興科学研究所)、座長:吾妻 崇(国立研究開発法人産業技術総合研究所)、松島 信一(京都大学防災研究所)


14:15 〜 14:30

[O10-02] 地震調査研究推進本部と全国地震動予測地図

★招待講演

*松島 信一1 (1.京都大学防災研究所)

キーワード:平成7年(1995年)兵庫県南部地震、阪神・淡路大震災、地震調査研究推進本部、全国地震動予測地図、確率論的地震動予測地図、震源断層を特定した地震動予測地図

平成7年1月17日(金)5:46頃に発生した「平成7年(1995年)兵庫県南部地震」(以下、兵庫県南部地震)とそれによって10万棟を超える建物の全壊と6,434名もの命が奪われる大災害(平成7年2月14日に「阪神・淡路大震災」と呼称することを閣議口頭了解)が引き起こされた。この地震災害が契機となり、“地震による災害から国民の生命、身体及び財産を保護するため、地震防災対策の実施に関する目標の設定並びに地震防災緊急事業五箇年計画の作成及びこれに基づく事業に係る国の財政上の特別措置について定めるとともに、地震に関する調査研究の推進のための体制の整備等について定めることにより、地震防災対策の強化を図り、もって社会の秩序の維持と公共の福祉の確保に資することを目的とする”「地震防災対策特別措置法」が議員立法により平成7年6月に設立、同年7月18日に施行され、この法に基づき総理府(当時、現在は文部科学省)に地震調査研究推進本部(以下、地震本部)が設置された。兵庫県南部地震が発生するまでは、国は地震に関する研究については東海地震の予知を筆頭に地震予知に重点を置き、地震が発生した際の揺れ(地震動・強震動)やその結果引き起こされる構造物等への被害とその対策に関する研究については重視していなかった。地震本部の設立に伴い、昭和51年10月に科学技術庁(当時)に東海地震の発生を危惧した内閣により設置された地震予知研究推進本部は平成7年7月17日に廃止された。
地震本部は、阪神・淡路大震災の経験から、地震に関する調査研究の成果が国民や防災を担当する機関に十分に伝達され活用される体制になっていなかったという課題意識の下に、行政施策に直結すべき地震に関する調査研究の責任体制を明らかにし、これを政府として一元的に推進するため設置された政府の特別機関である。地震本部の所掌として、政府全体の地震調査研究の方針となる「総合的かつ基本的な施策の立案」が定められており、平成11年4月には地震調査研究の基本的な施策をまとめた「地震調査研究の推進について―地震に関する観測、測量、調査及び研究の推進についての総合的かつ基本的な施策―」(以下、第1期総合基本施策)が策定された。それ以降、10年ごとに環境の変化や地震調査研究の進展を踏まえつつ、総合基本施策は改定されてきている。第1期総合基本施策において当面推進すべき地震調査研究の主要な課題として、全国を概観した地震動予測地図の作成が挙げられていた。このため、地震本部の地震調査委員会の活動の一連の成果として、平成17年3月に「全国を概観した地震動予測地図」(以下、地震動予測地図)が公表された。その後、地震動予測地図の高度化に向けて、地震動予測手法や地下構造モデルなどの改良を実施し、平成21年7月に「全国地震動予測地図」を公表した。全国地震動予測地図は、「確率論的地震動予測地図」と「震源断層を特定した地震動予測地図(シナリオ地震動予測地図)」で構成される。確率論的地震動予測地図は、作成時点で考慮し得る全ての地震の位置・規模・確率に基づき各地点がどの程度の確率でどの程度揺れるのかをまとめて計算し、その分布を地図に示したものである。シナリオ地震動予測地図は、ある特定の地震が発生した場合に各地点がどのように揺れるのかを計算してその分布を地図に示したものである。全国地震動予測地図は、国民の防災意識の向上や効果的な地震防災対策を検討する上での基礎資料として活用されることが期待されている。