日本地球惑星科学連合2025年大会

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[J] ポスター発表

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[O-11] 高校生ポスター発表

2025年5月25日(日) 13:45 〜 15:15 ポスター会場 (幕張メッセ国際展示場 7・8ホール)

コンビーナ:原 辰彦(建築研究所国際地震工学センター)、紺屋 恵子(海洋研究開発機構)、鈴木 智恵子(海洋研究開発機構)、中西 諒(国立研究開発法人産業技術総合研究所)


13:45 〜 15:15

[O11-P05] 15分で完成!家庭用扇風機で膨らむプラネタリウムドーム

*名取 香介1、*石川 翔二郎1、*鈴木 耀介1 (1.城北高等学校)

キーワード:プラネタリウム、エアドーム、自作、高等学校

 この研究では、組み立てに人手と時間がかからないエアプラネタリウムドームを作った。従来の高校生が作るプラネタリウムドームは、プラスチック段ボールなどを用いた組み立て式が一般的だったが、組み立て作業に多くの人手と時間がかかる上、遮光性が不十分になりやすい。そこで、本研究では農業用マルチシート(黒、白黒)を使ったエアドーム式を採用し、実際に使用する際の利便性について検証する。まず、半球を展開した形をシートから14枚切り出し、それらを繋げて半球を作る。また、半球の下にシートから作った円筒を接続し、高さを出す。また、円筒部にビニール製のダクトを接続し、扇風機から出る空気を漏れなくドーム内に送れるようにした。このようにして作ったプラネタリウムドームは2ヶ月程で完成したが、遮光性や、投影の正確さに多くの課題があった。この研究では、最初の発案から大きく3つの工夫をし、一般的だったエアプラネタリウムドームの方式をより簡単に安価にすることに成功した。
 第一の工夫は、素材の変更である。従来の布製素材では材料費が高く、また布地の厚みや質感によってドームの重量が増加し、設営や持ち運びに手間がかかる。本研究ではこの問題を解決するために、布ではなくビニール素材を使用した。ビニールは安価で軽量なうえ、加工性にも優れており、家庭用の道具でも扱いやすい特徴を持つ。さらに、素材を薄手にすることで、業務用の大型送風機を使わずとも、家庭用扇風機の風力で十分にドームを膨らませることが可能となった。この変更により、コスト面と設営の手間を大きく削減することに成功した。

 第二の工夫は、遮光性の向上である。ビニール素材は一般に光を透過しやすく、外光が内部に漏れると映像の視認性が低下してしまう。そこで、本研究ではビニールを二重構造にするという手法を採用した。外側と内側にそれぞれ異なるビニール層を重ねることで遮光性を高め、明るい屋内でも内部を十分に暗く保てるように設計した。特に、外側に黒色系のビニールを使用し、内側には映像が映えやすい白色を用いることで、映像の鮮明さも確保した。

 第三の工夫は、出入口部分における空気漏れの防止である。エアプラネタリウムドームは空気の圧力で形状を維持しているため、出入りのたびに空気が漏れてしまうと内部の気圧が下がり、ドームがしぼんでしまう恐れがある。この問題を解決するため、本研究ではエアーロックを導入した。これは、小型の前室を設けて内部と外部を区切り、利用者が段階的に出入りする構造である。これにより、ドーム内部と外部の気圧差を一定に保ち、形状の安定を維持することが可能となった。

 以上の工夫により実際に文化祭で実用化することができた。今後は、さらなる遮光性の向上や、内部映像の高度化を視野に入れ研究を進めたい。