日本地球惑星科学連合2025年大会

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[J] ポスター発表

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[O-11] 高校生ポスター発表

2025年5月25日(日) 13:45 〜 15:15 ポスター会場 (幕張メッセ国際展示場 7・8ホール)

コンビーナ:原 辰彦(建築研究所国際地震工学センター)、紺屋 恵子(海洋研究開発機構)、鈴木 智恵子(海洋研究開発機構)、中西 諒(国立研究開発法人産業技術総合研究所)


13:45 〜 15:15

[O11-P32] 紐状物体の絡まり現象におけるエントロピー増大法則とランダムノット理論の適用:静電気力の影響を含む考察

*木下 稜太1、*向井 雅人1、*羽藤 圭矢1、*川上 智史1 (1.愛媛県私立済美高等学校)

キーワード:ランダムノット理論、エントロピー

目的
日常生活でよく見られる有線イヤホンの絡まり現象に着目し、本研究では、この現象がエントロピー増大の法則に基づいて説明できるかを検証することを目的とする。また、ランダムノット理論を適用し、絡まり現象のモデル化を試みる。さらに、静電気力がこの現象に与える影響を考慮し、より詳細な分析を行う。
データと手法
1. 実験方法
本研究では、紐状の物体(有線イヤホン)を異なる条件で配置し、時間経過による絡まりの変化を観察する。以下の手順で実験を実施した。 125cmの有線イヤホンを2本、2cmの間隔で配置し、40秒間振動を与える。 配置間隔を5cmに変更し、同様の実験を行う。 有線イヤホンをPP紐に変更し、同様の実験を行う。 振動の影響を均一にするため、線状の物体の下に紙を敷き、その紙を一定の振幅で振動させた。実験は各条件で5回ずつ行い、絡まりの個数を整数値で記録した。
2 .実験器具
 1.有線イヤホン(全長125cm、柔軟な素材)
 2.PP紐(異なる剛性の比較用に使用)
 3.紙(複数の有線イヤホンに等しい振動を与えるために使用)
 4.記録用カメラ(絡まりの様子を詳細に分析するために使用)
結果 最初の5秒間は、それぞれのイヤホンが独立して振動していたが、10秒後には1か所が絡み始めた。その後、時間が経過するごとに絡まりが指数関数的に増加し、最終的に9か所が絡まることが観察された。 イヤホンの配置間隔を5cmにすると、絡まり始める時間は遅れたが、最終的には同様のパターンが確認された。 PP紐を用いた実験では、時間が経過しても絡まりは発生しなかった。 この結果から、紐状の物体の絡まりやすさは、その柔軟性と静電気的な性質に強く依存することが示唆された。
考察
エントロピー増大法則との関連性:有線イヤホンの絡まり現象は、整然とした状態(低エントロピー)から絡まった状態(高エントロピー)へと不可逆的に変化するため、エントロピー増大の法則と関連があると考えられる。また、絡まりの個数が時間とともに増加することから、エントロピーの増加率が指数関数的であることが確認できた。
線電気との関連性:有線イヤホンの表面には静電気が蓄積されることがあり、これが異なる部分の引き寄せを促進し、絡まりやすさを増加させる可能性がある。クーロン力の法則を考慮すると、イヤホンの表面電荷密度が大きいほど、絡まりやすくなると予測される。本研究の実験結果と照らし合わせると、この仮説が支持される。
ランダムノット理論との関連性:ランダムノット理論では、紐の自由度が高いほど、絡まりが発生する確率が高くなるとされる。本研究の結果からも、自由度が高い有線イヤホンでは絡まりが多く発生し、剛性の高いPP紐では絡まりが発生しなかったことから、この理論が妥当であることが示唆された。
参考文献 J. Lowell and A. C. Rose-Innes, "Contact Electrification," Advances in Physics, Vol. 29, pp. 947-1023, 1980. E. S. Matsusaka, H. Maruyama, T. Matsuyama, and M. Ghadiri, "Triboelectric charging of powders: A review," Chemical Engineering Science, Vol. 65, No. 22, pp. 5781-5807, 2010. 技術情報館「SEKIGIN」, 熱力学第二法則, http://sekigin.jp/science/phys/phys_04_02.html.