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[O11-P33] 川の水、飲んでも大丈夫? -愛媛県の川事情を徹底解明-
キーワード:川の水、パックテスト、濾過実験
目的
近年、世界的に環境保全や安全な水資源への関心が高まっている。その中で、「川の水はそのまま飲めるのか」「自然の河川水は本当に安全なのか」といった疑問が改めて注目されている。一般的には、河川水の飲用は危険とされているが、その根拠は必ずしも科学的に検証されたものではない。本研究では、愛媛県を流れる石手川と重信川を対象に、上流・中流・下流の各地点から水を採取し、水質の変化と安全性について分析を行った。濾過実験と簡易化学分析を通じて、河川に沿った水質の変化を明らかにし、飲料水としての適性を客観的に評価した。また、水道水を比較対象として用いることで、河川水の安全性をより正確に把握することを試みた。
手法
本研究では、愛媛県内の河川である石手川と重信川の複数地点(上流・中流・下流)で水を採取し、以下の方法で水質を評価した。
実験1(ろ過試験)
採取した水をフィルターでろ過し、ろ過後の水を顕微鏡で観察することで、河川水に含まれる微粒子の違いを調査した。ろ過によって水中の不純物の有無やその大きさを比較することで、水質の変化を可視化することを目的とした。
実験2(パックテスト)
簡易水質検査キット(パックテスト)を用いて水中の以下の成分を測定し、各地点の水質を比較した。
リン酸イオン (PO₄³⁻): 富栄養化の指標となる。0.05 mg/L未満が自然水の基準とされる。
硝酸態窒素 (NO₃⁻): 環境汚染の指標。1 mg/L未満が良好な状態。
亜硝酸態窒素 (NO₂⁻): 有害物質の指標。一般的には0.02 mg/L以下が望ましい。
アンモニウム態窒素 (NH₄⁺): 生活排水の影響を示す指標。通常、10 mg/L以下が望ましい。
COD (化学的酸素要求量): 有機汚染の指標。自然水では約5 mg/L以下が基準とされる。
これらの値を測定し、水道水と比較することで、飲用の安全性を評価した。
実験結果
(1) 実験1(ろ過試験)
上流の水は比較的透明度が高く、ろ過後のフィルターに付着する粒子も少なかった。
下流に行くにつれて、ろ過後のフィルターに付着する粒子が増加し、微生物や汚染物質の存在が示唆された。
(2) 実験2(パックテスト)
石手川: 上流域は比較的水質が良好であったが、下流域ではNO₃⁻、NO₂⁻の濃度が上昇し、生活排水や都市部の影響を強く受けていることが分かった。
重信川: 中流域ですでに富栄養化が進んでおり、特にPO₄³⁻の濃度が高かった。また、CODの増加も確認され、農業排水や生活排水の影響を受けている可能性が高い。
水道水: すべての成分が基準値内に収まり、安全性が確保されていることが確認された。
考察
河川の水質は、都市部や住宅地に近づくにつれて悪化する傾向が見られた。これは、生活排水や農業排水の影響が大きいためと考えられる。
石手川の特徴: NO₃⁻やNO₂⁻の増加が顕著であり、住宅地の増加による生活排水の影響が強く現れている。特に下流域では、基準値を超える可能性が示唆され、水質の悪化が顕著であった。
重信川の特徴: 中流域ですでに富栄養化が進んでおり、PO₄³⁻の濃度が高かった。これは、農業排水の影響が大きいことを示唆しており、肥料などに由来する成分が流入している可能性がある。
水道水との比較: 水道水は厳格な基準のもとで管理されており、河川水とは異なり、飲用に適した水質が確保されていることが分かった。
総括と展望
本研究では、愛媛県の石手川と重信川を対象に水質調査を行い、飲用の安全性について評価した。その結果、いずれの河川でも飲用には適さないことが明らかになった。特に下流域では、生活排水や農業排水の影響が顕著であり、水質の悪化が顕著であることが確認された。
今後の展望として、透過性試験や細菌検査を追加し、さらに詳細な水質評価を行うことで、河川水の安全性をより正確に評価することが重要である。また、環境保全の観点から、汚染の原因を特定し、適切な対策を講じることが求められる。
参考文献
• 荒川クリーンエイド「パックテストの数値からわかること」
https://cleanaid.jp/files/packtest.pdf
• 日本水環境学会「水質基準について」
https://www.jswe.or.jp/
• 松山市環境保全課「松山市の水質データ」
https://www.skr.mlit.go.jp/matsuyam/river/img/
近年、世界的に環境保全や安全な水資源への関心が高まっている。その中で、「川の水はそのまま飲めるのか」「自然の河川水は本当に安全なのか」といった疑問が改めて注目されている。一般的には、河川水の飲用は危険とされているが、その根拠は必ずしも科学的に検証されたものではない。本研究では、愛媛県を流れる石手川と重信川を対象に、上流・中流・下流の各地点から水を採取し、水質の変化と安全性について分析を行った。濾過実験と簡易化学分析を通じて、河川に沿った水質の変化を明らかにし、飲料水としての適性を客観的に評価した。また、水道水を比較対象として用いることで、河川水の安全性をより正確に把握することを試みた。
手法
本研究では、愛媛県内の河川である石手川と重信川の複数地点(上流・中流・下流)で水を採取し、以下の方法で水質を評価した。
実験1(ろ過試験)
採取した水をフィルターでろ過し、ろ過後の水を顕微鏡で観察することで、河川水に含まれる微粒子の違いを調査した。ろ過によって水中の不純物の有無やその大きさを比較することで、水質の変化を可視化することを目的とした。
実験2(パックテスト)
簡易水質検査キット(パックテスト)を用いて水中の以下の成分を測定し、各地点の水質を比較した。
リン酸イオン (PO₄³⁻): 富栄養化の指標となる。0.05 mg/L未満が自然水の基準とされる。
硝酸態窒素 (NO₃⁻): 環境汚染の指標。1 mg/L未満が良好な状態。
亜硝酸態窒素 (NO₂⁻): 有害物質の指標。一般的には0.02 mg/L以下が望ましい。
アンモニウム態窒素 (NH₄⁺): 生活排水の影響を示す指標。通常、10 mg/L以下が望ましい。
COD (化学的酸素要求量): 有機汚染の指標。自然水では約5 mg/L以下が基準とされる。
これらの値を測定し、水道水と比較することで、飲用の安全性を評価した。
実験結果
(1) 実験1(ろ過試験)
上流の水は比較的透明度が高く、ろ過後のフィルターに付着する粒子も少なかった。
下流に行くにつれて、ろ過後のフィルターに付着する粒子が増加し、微生物や汚染物質の存在が示唆された。
(2) 実験2(パックテスト)
石手川: 上流域は比較的水質が良好であったが、下流域ではNO₃⁻、NO₂⁻の濃度が上昇し、生活排水や都市部の影響を強く受けていることが分かった。
重信川: 中流域ですでに富栄養化が進んでおり、特にPO₄³⁻の濃度が高かった。また、CODの増加も確認され、農業排水や生活排水の影響を受けている可能性が高い。
水道水: すべての成分が基準値内に収まり、安全性が確保されていることが確認された。
考察
河川の水質は、都市部や住宅地に近づくにつれて悪化する傾向が見られた。これは、生活排水や農業排水の影響が大きいためと考えられる。
石手川の特徴: NO₃⁻やNO₂⁻の増加が顕著であり、住宅地の増加による生活排水の影響が強く現れている。特に下流域では、基準値を超える可能性が示唆され、水質の悪化が顕著であった。
重信川の特徴: 中流域ですでに富栄養化が進んでおり、PO₄³⁻の濃度が高かった。これは、農業排水の影響が大きいことを示唆しており、肥料などに由来する成分が流入している可能性がある。
水道水との比較: 水道水は厳格な基準のもとで管理されており、河川水とは異なり、飲用に適した水質が確保されていることが分かった。
総括と展望
本研究では、愛媛県の石手川と重信川を対象に水質調査を行い、飲用の安全性について評価した。その結果、いずれの河川でも飲用には適さないことが明らかになった。特に下流域では、生活排水や農業排水の影響が顕著であり、水質の悪化が顕著であることが確認された。
今後の展望として、透過性試験や細菌検査を追加し、さらに詳細な水質評価を行うことで、河川水の安全性をより正確に評価することが重要である。また、環境保全の観点から、汚染の原因を特定し、適切な対策を講じることが求められる。
参考文献
• 荒川クリーンエイド「パックテストの数値からわかること」
https://cleanaid.jp/files/packtest.pdf
• 日本水環境学会「水質基準について」
https://www.jswe.or.jp/
• 松山市環境保全課「松山市の水質データ」
https://www.skr.mlit.go.jp/matsuyam/river/img/
