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[O11-P41] 天気図と地形図から考察する、八王子市できれいな夕焼けが見られる条件とはなんだろうか?
キーワード:夕焼け、雲、地形、八王子市
1.目的
夕焼けは多くの人にとって魅力的で身近な絶景であり、今や観光資源になっている。今回は夕焼けの地域性を調べたいと思い、八王子市という特定の場所で、特に地形と雲に着目して研究を行った。
2.先行研究、仮説
夕焼けの雲の条件に、「西の高い空に高積雲(ひつじ雲)や巻積雲(うろこ雲)が浮かぶと、雲粒により太陽光がさらに散乱されてきれいな夕焼けになりやすい」ということがある。しかし、八王子市では図1のように西に山地がある地形によって上昇気流が発生して低い雲が形成され、太陽光を遮るため、夕焼けが見られづらいのではないかと予想した。実際に山地の地形の影響で雲が発達し、豪雨になりやすいケースもあることがわかっている。
3.手法
夏、日没の時間帯に八王子市の自宅付近で14日分、東西南北の空を撮影し雲の種類を推測した。撮影時の天気、湿度、18:00時点の天気図をデータにとった。また地形の違いを比較するため、東京駅付近で1日分、愛知県豊橋市で3日分、同様に観測データを集めた。なお、今回は「きれいな夕焼け」とは、雲が太陽を隠していないか、隠していてもその雲が色づいている場合としている。
4.結果
以下の図のような結果が得られた。
5.考察
まず、図4,5,6,9より、色づいた雲は高積雲(ひつじ雲)や巻積雲(うろこ雲)などが多く見られた。高さでの分類によると、中層から上層の雲が色づきやすいと考えられる。
また図2,3より、東京都付近は八王子市よりも西の山地から離れていて、愛知県豊橋市は西に山地がない地形だということがわかる。この2地点での観測では、図4,5の夕焼けがきれいに見られた。ここでこれらの条件を調べると、天気は晴れ、湿度は60%程であった。同じ条件下での八王子市の夕焼け、図6は、太陽が雲に隠されきれいな夕焼けとはいえなかった。またこの日の雲画像(可視画像)と地形図(色別標高図)を追加で調査した(図7)。赤黒いところ、標高が高い山地の場所に濃く雲がかかっていることがわかる。つまり、図6の夕焼けを隠している雲は八王子市の地形によって形成された可能性が高いと考えられる。
また西の空で夕焼けが見られることが多かったが、西の空で夕焼けが見られなくとも、北や南の空で見られることがあった(図9)。この時の天気図では、図8のように、観測場所(八王子市)は高気圧に覆われているが、低気圧や前線が近付いているといった特徴が見られる。つまり、高気圧のため晴れるが、低気圧や前線の近づく方角の空では水蒸気が流入し、色づきやすい雲が発生しきれいな夕焼けになったのではないかと考えられる。
6.課題
山地による上昇気流で雲が発生した根拠を明確にすること、気温など他の条件についても考察することが挙げられる。また長期の観測を行うため、定点観測カメラを設置したい。
謝辞
東京都立大学都市環境学部教授の飯島慈裕様、気象庁気象科学館解説員の方、愛知県豊橋市在住の知人、東京都立八王子東高等学校の先生方をはじめ、ご協力していただいたすべての方々に深く感謝申し上げます。
参考文献
・「国土地理院ウェブサイト」https://maps.gsi.go.jp/#5/36.104611/140.084556/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1g1j0h0k0l0u0t0z0r0s0m0f1,参照日:2025.1.18 色別標高図を編集して作成
・「ウェザーニュース 天気予報」https://weathernews.jp/,参照日:2024.7.22~2024.8.5
・「気象庁 天気図」https://www.jma.go.jp/bosai/weather_map/,参照日:2024.7.22~2024.8.5 より引用
(写真:八王子市、東京都周辺は筆者自身が撮影したもの、愛知県豊橋市は現地在住の知人の協力によるもの)
・「JAXA ひまわりモニタ 分野横断型プロダクト提供システム(P-Tree)」https://www.eorc.jaxa.jp/ptree/index_j.html,参照日:2025.1.18 編集して作成
・「魔法のような色の空はなぜ見える?薄明・マジックアワーのナゾ | Honda Kids(キッズ) | Honda公式サイト」https://www.honda.co.jp/kids/explore/twilight/,参照日:2024.11.9
・菊池舞以『ときめく雲図鑑』山と渓谷社,2020
・荒木健太郎『最高にすごすぎる天気の図鑑』KADOKAWA,2024
夕焼けは多くの人にとって魅力的で身近な絶景であり、今や観光資源になっている。今回は夕焼けの地域性を調べたいと思い、八王子市という特定の場所で、特に地形と雲に着目して研究を行った。
2.先行研究、仮説
夕焼けの雲の条件に、「西の高い空に高積雲(ひつじ雲)や巻積雲(うろこ雲)が浮かぶと、雲粒により太陽光がさらに散乱されてきれいな夕焼けになりやすい」ということがある。しかし、八王子市では図1のように西に山地がある地形によって上昇気流が発生して低い雲が形成され、太陽光を遮るため、夕焼けが見られづらいのではないかと予想した。実際に山地の地形の影響で雲が発達し、豪雨になりやすいケースもあることがわかっている。
3.手法
夏、日没の時間帯に八王子市の自宅付近で14日分、東西南北の空を撮影し雲の種類を推測した。撮影時の天気、湿度、18:00時点の天気図をデータにとった。また地形の違いを比較するため、東京駅付近で1日分、愛知県豊橋市で3日分、同様に観測データを集めた。なお、今回は「きれいな夕焼け」とは、雲が太陽を隠していないか、隠していてもその雲が色づいている場合としている。
4.結果
以下の図のような結果が得られた。
5.考察
まず、図4,5,6,9より、色づいた雲は高積雲(ひつじ雲)や巻積雲(うろこ雲)などが多く見られた。高さでの分類によると、中層から上層の雲が色づきやすいと考えられる。
また図2,3より、東京都付近は八王子市よりも西の山地から離れていて、愛知県豊橋市は西に山地がない地形だということがわかる。この2地点での観測では、図4,5の夕焼けがきれいに見られた。ここでこれらの条件を調べると、天気は晴れ、湿度は60%程であった。同じ条件下での八王子市の夕焼け、図6は、太陽が雲に隠されきれいな夕焼けとはいえなかった。またこの日の雲画像(可視画像)と地形図(色別標高図)を追加で調査した(図7)。赤黒いところ、標高が高い山地の場所に濃く雲がかかっていることがわかる。つまり、図6の夕焼けを隠している雲は八王子市の地形によって形成された可能性が高いと考えられる。
また西の空で夕焼けが見られることが多かったが、西の空で夕焼けが見られなくとも、北や南の空で見られることがあった(図9)。この時の天気図では、図8のように、観測場所(八王子市)は高気圧に覆われているが、低気圧や前線が近付いているといった特徴が見られる。つまり、高気圧のため晴れるが、低気圧や前線の近づく方角の空では水蒸気が流入し、色づきやすい雲が発生しきれいな夕焼けになったのではないかと考えられる。
6.課題
山地による上昇気流で雲が発生した根拠を明確にすること、気温など他の条件についても考察することが挙げられる。また長期の観測を行うため、定点観測カメラを設置したい。
謝辞
東京都立大学都市環境学部教授の飯島慈裕様、気象庁気象科学館解説員の方、愛知県豊橋市在住の知人、東京都立八王子東高等学校の先生方をはじめ、ご協力していただいたすべての方々に深く感謝申し上げます。
参考文献
・「国土地理院ウェブサイト」https://maps.gsi.go.jp/#5/36.104611/140.084556/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1g1j0h0k0l0u0t0z0r0s0m0f1,参照日:2025.1.18 色別標高図を編集して作成
・「ウェザーニュース 天気予報」https://weathernews.jp/,参照日:2024.7.22~2024.8.5
・「気象庁 天気図」https://www.jma.go.jp/bosai/weather_map/,参照日:2024.7.22~2024.8.5 より引用
(写真:八王子市、東京都周辺は筆者自身が撮影したもの、愛知県豊橋市は現地在住の知人の協力によるもの)
・「JAXA ひまわりモニタ 分野横断型プロダクト提供システム(P-Tree)」https://www.eorc.jaxa.jp/ptree/index_j.html,参照日:2025.1.18 編集して作成
・「魔法のような色の空はなぜ見える?薄明・マジックアワーのナゾ | Honda Kids(キッズ) | Honda公式サイト」https://www.honda.co.jp/kids/explore/twilight/,参照日:2024.11.9
・菊池舞以『ときめく雲図鑑』山と渓谷社,2020
・荒木健太郎『最高にすごすぎる天気の図鑑』KADOKAWA,2024
