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[O11-P42] 沿岸汽水域における海水塩分因子による魚類の反応
キーワード:海水塩分、恒常性、汽水域
日本の沿岸域は多様な海岸地形から汽水域が広く広がっている。そこでの魚類の体内・体外の塩分刺激の差によってどのような反応を見せるのか比較した。
【1】体内環境
シロウオはハゼ科の魚類で、無色透明な体をもつ。この特色を生かし、神経の構造を記述しつつ、塩分差と心拍数・呼吸数をカウントし塩分差による活動度の差異について比較した。ここで塩分2%の汽水域で採取したシロウオを用いた。
(1) 観察と実験方法
① 体内構造(神経系)の観察
脊索の節を、浮き袋を境にして上下でカウントし、263匹の個体での比較を行った。
② 実験方法: 塩分の心拍数と呼吸への影響
シラウオを4匹ずつに分け、それぞれ200mLビーカーに 1%/2%/3%の人工海水150mLを入れ、各塩水に1時間ほど馴らした後、心拍数と呼吸数を比較した。
(2) 実験結果・観察結果
①神経系(脊索)の個数 (N=263)
浮き袋より上部では平均で10.2個の脊索がみられ、誤差は少ない。浮き袋より下部では平均で20.1個の脊索が見られ、誤差はやや大きかった。
②塩分の心拍数と呼吸数への影響
心拍数は、自然界での塩分にもっとも近い塩分2%で94.4回/分であったが、高塩分の3%で73.6回/分、低塩分の1%で87.0回/分であった。呼吸数は、高塩分の3%で50.0回/分、自然界での塩分にもっとも近い塩分2%で64.1回/分、低塩分の1%で68.9回/分と、低塩分ほど呼吸数は多かった。
(3) 考察
①脊索の構造が、浮き袋より上で個体差が比較的少なく、浮き袋より下でばらつきが大きいのは、成長の過程で下半身の方が成長語の伸長が見られたか、または先天的な誤差が大きいのではないかと考えられる。
②心拍数では、自然界での塩分から離れた(いつもより濃い薄い)環境ほど代謝をゆっくりとして体内環境を激変させないように出来ているのではないか。また呼吸数は、全体を通して濃度が高い方が緩慢になっていることから、できるだけ体内に取り入れる水を少なくして環境変化を抑えるはたらきになっていたとも考えられる。
【2】体外環境
フグ・ボラは水流変化のある底生の生物であるが、汽水域にも適用できる。そこでの沖合と沿岸での差を比較することで、無機環境の影響でどの程度の活動度の違いが見られるのかを比較した。
(1) 方法
①物理的反応
海水域(2.8%)汽水域(1.4%)淡水域の3パターンにフグ及びボラを一定の回転速度でどこまで流れに逆上することができたか比較した。
②視覚的反応
円形水槽の壁面にフグを模った複数の並べた図形を一定速度で回転させ、その図形の移動との違いを比較した。
(2) 結果
①物理的刺激
河川を遡上することもあるボラは汽水域の1.4%濃度で水流への対抗力が強く、フグは逆に本来の海水2.8%で淡水と大きく違う水流への抵抗が見られた。
②視覚的刺激
フグでは海水の2.8%で最も反応が強かった。
(3) 考察など
一般にフグは周縁性淡水魚という区分でもあり、遡上することはあるが頻度が少ない。産卵、捕食を行うにあたり、淡水とは異なる塩分の高い外洋で、潮流などの水流に逆らう必要性が高いのではなかろうか。
それに対してボラは、淡水に近い方が流れに逆らって泳ぐことができていた。特に今回の実験で用いたのボラの幼魚は、餌となる苔が豊富な、淡水が流れ込む河口付近に行くことは、捕食活動には有利で、川の流れに逆らって生存率を上げていることにつながっているのではないだろうか。
【1】体内環境
シロウオはハゼ科の魚類で、無色透明な体をもつ。この特色を生かし、神経の構造を記述しつつ、塩分差と心拍数・呼吸数をカウントし塩分差による活動度の差異について比較した。ここで塩分2%の汽水域で採取したシロウオを用いた。
(1) 観察と実験方法
① 体内構造(神経系)の観察
脊索の節を、浮き袋を境にして上下でカウントし、263匹の個体での比較を行った。
② 実験方法: 塩分の心拍数と呼吸への影響
シラウオを4匹ずつに分け、それぞれ200mLビーカーに 1%/2%/3%の人工海水150mLを入れ、各塩水に1時間ほど馴らした後、心拍数と呼吸数を比較した。
(2) 実験結果・観察結果
①神経系(脊索)の個数 (N=263)
浮き袋より上部では平均で10.2個の脊索がみられ、誤差は少ない。浮き袋より下部では平均で20.1個の脊索が見られ、誤差はやや大きかった。
②塩分の心拍数と呼吸数への影響
心拍数は、自然界での塩分にもっとも近い塩分2%で94.4回/分であったが、高塩分の3%で73.6回/分、低塩分の1%で87.0回/分であった。呼吸数は、高塩分の3%で50.0回/分、自然界での塩分にもっとも近い塩分2%で64.1回/分、低塩分の1%で68.9回/分と、低塩分ほど呼吸数は多かった。
(3) 考察
①脊索の構造が、浮き袋より上で個体差が比較的少なく、浮き袋より下でばらつきが大きいのは、成長の過程で下半身の方が成長語の伸長が見られたか、または先天的な誤差が大きいのではないかと考えられる。
②心拍数では、自然界での塩分から離れた(いつもより濃い薄い)環境ほど代謝をゆっくりとして体内環境を激変させないように出来ているのではないか。また呼吸数は、全体を通して濃度が高い方が緩慢になっていることから、できるだけ体内に取り入れる水を少なくして環境変化を抑えるはたらきになっていたとも考えられる。
【2】体外環境
フグ・ボラは水流変化のある底生の生物であるが、汽水域にも適用できる。そこでの沖合と沿岸での差を比較することで、無機環境の影響でどの程度の活動度の違いが見られるのかを比較した。
(1) 方法
①物理的反応
海水域(2.8%)汽水域(1.4%)淡水域の3パターンにフグ及びボラを一定の回転速度でどこまで流れに逆上することができたか比較した。
②視覚的反応
円形水槽の壁面にフグを模った複数の並べた図形を一定速度で回転させ、その図形の移動との違いを比較した。
(2) 結果
①物理的刺激
河川を遡上することもあるボラは汽水域の1.4%濃度で水流への対抗力が強く、フグは逆に本来の海水2.8%で淡水と大きく違う水流への抵抗が見られた。
②視覚的刺激
フグでは海水の2.8%で最も反応が強かった。
(3) 考察など
一般にフグは周縁性淡水魚という区分でもあり、遡上することはあるが頻度が少ない。産卵、捕食を行うにあたり、淡水とは異なる塩分の高い外洋で、潮流などの水流に逆らう必要性が高いのではなかろうか。
それに対してボラは、淡水に近い方が流れに逆らって泳ぐことができていた。特に今回の実験で用いたのボラの幼魚は、餌となる苔が豊富な、淡水が流れ込む河口付近に行くことは、捕食活動には有利で、川の流れに逆らって生存率を上げていることにつながっているのではないだろうか。
