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[O11-P48] 流水中の真砂土が流水の侵食力に与える影響について
キーワード:真砂土、侵食力、土砂災害
1 研究の背景と目的
真砂土は花崗岩が風化した土壌であり、土砂災害が起きやすい土壌である特殊土壌の一つである。茨城県も特殊土壌指定地域ではないが、県西地区は、日本有数の花崗岩地域で、「岩瀬砂」などの真砂土も存在している。真砂土が土砂災害の原因になりやすい理由は、花崗岩が風化しやすいことや風化の際に、マサ部分と未風化のコアストーンに分かれ、このコアストーンが剥離しやすいためである。このコアストーンの大きなものや、河床の巨礫、流木などが流されると、土砂災害の被害はさらに大きくなる。そこで私たちは、流水が真砂土を含んだ時の侵食力に興味を持ち、この研究を始めることとした。
本研究では、水中で静止していた粒子が動き始めるのに必要な力つまり侵食作用を起こすのに必要な力を「侵食力」とし、水中の真砂土の動きを「侵食力」に注目して考えてみることにした。
2 これまでの実験と今回の実験の仮説
これまでの実験で泥によって侵食力が大きくなることが分かったが、試料の粘性による侵食力の違いは分からなかった。
先行研究より流速の6乗に流水が運ぶ岩石の破片の体積にほぼ比例すること4)と真砂土の粘性が侵食力に影響を与えていること2)が明らかになっている。このことから流速と真砂土を含んだ流水侵食力は比例関係であると仮説をたてて実験を行った
3 実験器具と実験方法
実験器具として全長1.8mの水路を用い中間地点におもりを置き、8°の傾斜をつけた水路の端から試料と混ざった水を流すことにした。傾斜が8°というのは、のちに行う動画解析をしやすいよう流水が速く流れすぎることがなく、かつ礫が流水に混ざって流れてくれるような角度として決めた(図1、図2)。用いた試料は真砂土60gである(図3)。
実験方法はまず水路の上流からパターン1初速(1.95m/s),パターン2初速(2.49m/s)でそれぞれ試料と混ざった水で重りを流し、その様子を動画で撮る。次に撮った動画をアプリで30fpsに分割して重りの流下時間を測り、流下速度を算出した。水流の初速の計算は参考文献3)による。
4 結果
結果は図4箱ひげ図のようになった。
パターン1のときは重りを押し流す速さは真砂土を含む場合が水のみの場合との差が大きかったが、パターン2のときは真砂土の場合と水のみの場合でほとんど差が見られなかった。
真砂土による影響は流速が多き場合よりも流速が小さい時のほうが大きくなったため流速と真砂土を含んだ流水侵食力は比例関係ではないとわかった。
5 考察と結論
真砂土による影響は、流速が大きい場合よりも、流速が小さい時の方が大きくなった。このような結果となった理由としては、流速のみを変化させ、試料(真砂土)の量は変えなかったため、パターン2ではパターン1と比べて、流量に対する真砂土の割合が小さくなったからだと考えた。その結果、真砂土の粘性による侵食力への影響が弱まったと考えた。
以上の結果から、流速と真砂土を含んだ流水の侵食力との関係は、単純な比例関係ではないことが明らかとなった。
参考文献
1)竹内俐人,三木俊英,澤畠拓海,林田昂大,三島優弥,畠山悠汰,湯田尚己,小西敦貴, ”河川が氾濫する地形的条件とダムの関係性”高校生の科学研究発表会@茨城大学(2023)
2)板橋春輝,皆川凌,山﨑駿哉,齋藤宏行,”流水中の真砂土がその侵食力に与える影響”第12回茨城県高校生科学研究発表会(2024)
3)島津ソリューションズ株式会社HP、https://www.shimadzu.co.jp/sss/flow/calc.html(2024年10月)
4)地形・地質情報ポータルサイト,https://www.web-gis.jp/ (2024年10月)
5)スクエア最新図説地学P141,浜島書店(2022)
6)流速とは流量の基本を知る流量知識.comキーエンスhttps://www.keyence.co.jp/ss/products/process/flowmeter/base/flow-velocity.jsp(2024年10月)
7)技術コラム【吐出の羅針学】流路と圧力損失の関係https://www.mohno-dispenser.jp/compass/compass16.html
真砂土は花崗岩が風化した土壌であり、土砂災害が起きやすい土壌である特殊土壌の一つである。茨城県も特殊土壌指定地域ではないが、県西地区は、日本有数の花崗岩地域で、「岩瀬砂」などの真砂土も存在している。真砂土が土砂災害の原因になりやすい理由は、花崗岩が風化しやすいことや風化の際に、マサ部分と未風化のコアストーンに分かれ、このコアストーンが剥離しやすいためである。このコアストーンの大きなものや、河床の巨礫、流木などが流されると、土砂災害の被害はさらに大きくなる。そこで私たちは、流水が真砂土を含んだ時の侵食力に興味を持ち、この研究を始めることとした。
本研究では、水中で静止していた粒子が動き始めるのに必要な力つまり侵食作用を起こすのに必要な力を「侵食力」とし、水中の真砂土の動きを「侵食力」に注目して考えてみることにした。
2 これまでの実験と今回の実験の仮説
これまでの実験で泥によって侵食力が大きくなることが分かったが、試料の粘性による侵食力の違いは分からなかった。
先行研究より流速の6乗に流水が運ぶ岩石の破片の体積にほぼ比例すること4)と真砂土の粘性が侵食力に影響を与えていること2)が明らかになっている。このことから流速と真砂土を含んだ流水侵食力は比例関係であると仮説をたてて実験を行った
3 実験器具と実験方法
実験器具として全長1.8mの水路を用い中間地点におもりを置き、8°の傾斜をつけた水路の端から試料と混ざった水を流すことにした。傾斜が8°というのは、のちに行う動画解析をしやすいよう流水が速く流れすぎることがなく、かつ礫が流水に混ざって流れてくれるような角度として決めた(図1、図2)。用いた試料は真砂土60gである(図3)。
実験方法はまず水路の上流からパターン1初速(1.95m/s),パターン2初速(2.49m/s)でそれぞれ試料と混ざった水で重りを流し、その様子を動画で撮る。次に撮った動画をアプリで30fpsに分割して重りの流下時間を測り、流下速度を算出した。水流の初速の計算は参考文献3)による。
4 結果
結果は図4箱ひげ図のようになった。
パターン1のときは重りを押し流す速さは真砂土を含む場合が水のみの場合との差が大きかったが、パターン2のときは真砂土の場合と水のみの場合でほとんど差が見られなかった。
真砂土による影響は流速が多き場合よりも流速が小さい時のほうが大きくなったため流速と真砂土を含んだ流水侵食力は比例関係ではないとわかった。
5 考察と結論
真砂土による影響は、流速が大きい場合よりも、流速が小さい時の方が大きくなった。このような結果となった理由としては、流速のみを変化させ、試料(真砂土)の量は変えなかったため、パターン2ではパターン1と比べて、流量に対する真砂土の割合が小さくなったからだと考えた。その結果、真砂土の粘性による侵食力への影響が弱まったと考えた。
以上の結果から、流速と真砂土を含んだ流水の侵食力との関係は、単純な比例関係ではないことが明らかとなった。
参考文献
1)竹内俐人,三木俊英,澤畠拓海,林田昂大,三島優弥,畠山悠汰,湯田尚己,小西敦貴, ”河川が氾濫する地形的条件とダムの関係性”高校生の科学研究発表会@茨城大学(2023)
2)板橋春輝,皆川凌,山﨑駿哉,齋藤宏行,”流水中の真砂土がその侵食力に与える影響”第12回茨城県高校生科学研究発表会(2024)
3)島津ソリューションズ株式会社HP、https://www.shimadzu.co.jp/sss/flow/calc.html(2024年10月)
4)地形・地質情報ポータルサイト,https://www.web-gis.jp/ (2024年10月)
5)スクエア最新図説地学P141,浜島書店(2022)
6)流速とは流量の基本を知る流量知識.comキーエンスhttps://www.keyence.co.jp/ss/products/process/flowmeter/base/flow-velocity.jsp(2024年10月)
7)技術コラム【吐出の羅針学】流路と圧力損失の関係https://www.mohno-dispenser.jp/compass/compass16.html
