13:45 〜 15:15
[O11-P50] 日立の気象的な観点による空の考察
キーワード:日立市、空、レイリー散乱、ミー散乱
1背景
私たちの高校がある日立市では、近年人口減少が問題となっている¹⁾。しかし、茨城県の北部に位置し海、山、そして空が融合し、自然豊かであるといった特徴が日立にはある。そこで本研究では、その日立市で、空を観光資源として楽しんでもらうことで地元活性化のために行った。
2目的
日立市の「空」に着目し、空模様を予測、発信し、どのような空の様子を観察することができるのかを予測することを目的としている。本研究は前年度の「sky wizard」の後続研究である²⁾。前年度時点での課題であった空模様の正確な予測、SNS上での写真の投稿の完全自動化などの実現も目指す。
3データ
日立市天気相談所から入手した快晴の写真143枚のRGB値の平均値、最頻値を求める。その写真が撮られた時の気温、日射量、太陽高度、湿度、水蒸気量、風速、視程の気象条件をそれぞれ抽出したものをデータとして利用した³⁾。使用した写真の一部が図1,2である。これらの写真の空の部分のみトリミングして、解析をRGBの値を求めた。また、研究の目的として、日立の山や海と「空」のきれいな写真を撮ることとしているため、水平線、山と空の境近くの空の様子を一定の角度で撮影した写真を使用した。
4手法
4-1 手法1
143 枚の写真データの80%を用いてRGB値の平均値・最頻値と気象条件の相関をGoogle Colab上で機械学習させ、残りの20%をテストデータとして精度を調べた。その際、決定係数が0.8以上のものをRGB値の予測に十分な精度をもつものと判断することにした。
空の色は複数の気象条件により決定されるため、複数のパラメーターを同時に比べることで精度が高くなると考えた。
4-2 手法2
各パラメーターがRGB値にどれだけ影響を与えているか調べるために、説明変数を気象条件、目的変数をRGB値の平均値と最頻値とし、Google Colab上で重回帰分析を行った。その後、有意確率P>|t|が0.05以下のパラメーターを抽出した。
5結果
5-1 手法1の結果
以下図3~8、横軸予測値、縦軸正解値のグラフ。Rは0.5以上の相関が見られたが、G、Bは0.3以下だった。
5-2 手法2の結果
有意確率0.05以下のパラメータのみ抽出したものが表1。一定の相関が見られたのは、気温、日射量、太陽高度、水蒸気量、視程の5つのパラメータだった。
6議論
図1~6において、予測に十分な精度には満たなかった。他の気象条件と相関を持つことなどが考えられる。また、緑色光の波長は546.1nm⁴⁾で青色光の波長は435.5nmであり、空気中の粒子の大きさにほとんど影響を受けずに恒常的に一定量を乱反射している。それに対し、赤色光の波長は、700nmと波長がより長いので、空気中の粒子の大きさに大きく依存し、Rの決定係数の値が比較的大きいと考えられる。
表1の5つのパラメータと関係が見られたのは、太陽光の量や入射角度及び、空気中の粒子の量に影響しているからだと考えられる。これらは、レイリー散乱、ミー散乱を起こす上で重要となる。レイリー散乱とは、光の波長より十分に小さい粒子による散乱で、空が青く見える原因となる。それに対して、ミー散乱とは、波長に対して十分に大きいサイズの粒子が起こす散乱で、雲などが白く見える原因となる⁵⁾。(図9,10)
7結論
快晴の空の写真のRGB値は、気温、日射量、太陽高度、水蒸気量、視程と95%以上の確率で相関を持ち、特に視程はRGB値の決定に強く影響を与えていると分かった。今後はエアロゾルと気象条件、快晴以外の組み合わせについて重回帰分析を用いて解析を行い、Instagramの投稿においての正確な予報の取得、投稿用の写真を得るために機械学習を用いて研究を行っていきたい。
謝辞
本研究にご支援くださった、日立市天気相談所 池田恵介様、国立研究開発法人情報通信研究機構 佐藤知紘先生に深謝致します。また、本研究は、一般財団法人WNI気象文化創造コンテストより助成を受けたものである。
参考文献
1) 最終更新2025年4月10日,日立市公式ウェブサイトhttps://www.city.hitachi.lg.jp/citypromotion/index.html(2025年4月10日現在)
2) 佐藤優空,長友陽奈,本多柚結,松﨑絢加,“Sky Shutter Assistant”,(2023)、第12回高校・高専気象観測機器コンテスト(9P)
https://www.wxbunka.com/cms/wp-content/uploads/2022/02/35.hitachidaiichi_sky-wizard.pdf(2025年4月10日現在)
3) 最終更新2025年4月10日,日立市天気相談所,https://tenki.city.hitachi.lg.jp/obs/contents/919 (2025年4月10日現在)
4) 最終更新2016年5月13日,natural science “光の波長からRGBを算出する関数の定義” https://www.natural-science.or.jp/article/20160513143413.php (2025年4月10日現在)
5) 最終更新2024年3月22日,有限会社テクノ・シナジーHP“レイリー散乱,ミー散乱”,http://www.techno-synergy.co.jp/opt_lectures/about_SColor07.html (2025年4月10日現在)
私たちの高校がある日立市では、近年人口減少が問題となっている¹⁾。しかし、茨城県の北部に位置し海、山、そして空が融合し、自然豊かであるといった特徴が日立にはある。そこで本研究では、その日立市で、空を観光資源として楽しんでもらうことで地元活性化のために行った。
2目的
日立市の「空」に着目し、空模様を予測、発信し、どのような空の様子を観察することができるのかを予測することを目的としている。本研究は前年度の「sky wizard」の後続研究である²⁾。前年度時点での課題であった空模様の正確な予測、SNS上での写真の投稿の完全自動化などの実現も目指す。
3データ
日立市天気相談所から入手した快晴の写真143枚のRGB値の平均値、最頻値を求める。その写真が撮られた時の気温、日射量、太陽高度、湿度、水蒸気量、風速、視程の気象条件をそれぞれ抽出したものをデータとして利用した³⁾。使用した写真の一部が図1,2である。これらの写真の空の部分のみトリミングして、解析をRGBの値を求めた。また、研究の目的として、日立の山や海と「空」のきれいな写真を撮ることとしているため、水平線、山と空の境近くの空の様子を一定の角度で撮影した写真を使用した。
4手法
4-1 手法1
143 枚の写真データの80%を用いてRGB値の平均値・最頻値と気象条件の相関をGoogle Colab上で機械学習させ、残りの20%をテストデータとして精度を調べた。その際、決定係数が0.8以上のものをRGB値の予測に十分な精度をもつものと判断することにした。
空の色は複数の気象条件により決定されるため、複数のパラメーターを同時に比べることで精度が高くなると考えた。
4-2 手法2
各パラメーターがRGB値にどれだけ影響を与えているか調べるために、説明変数を気象条件、目的変数をRGB値の平均値と最頻値とし、Google Colab上で重回帰分析を行った。その後、有意確率P>|t|が0.05以下のパラメーターを抽出した。
5結果
5-1 手法1の結果
以下図3~8、横軸予測値、縦軸正解値のグラフ。Rは0.5以上の相関が見られたが、G、Bは0.3以下だった。
5-2 手法2の結果
有意確率0.05以下のパラメータのみ抽出したものが表1。一定の相関が見られたのは、気温、日射量、太陽高度、水蒸気量、視程の5つのパラメータだった。
6議論
図1~6において、予測に十分な精度には満たなかった。他の気象条件と相関を持つことなどが考えられる。また、緑色光の波長は546.1nm⁴⁾で青色光の波長は435.5nmであり、空気中の粒子の大きさにほとんど影響を受けずに恒常的に一定量を乱反射している。それに対し、赤色光の波長は、700nmと波長がより長いので、空気中の粒子の大きさに大きく依存し、Rの決定係数の値が比較的大きいと考えられる。
表1の5つのパラメータと関係が見られたのは、太陽光の量や入射角度及び、空気中の粒子の量に影響しているからだと考えられる。これらは、レイリー散乱、ミー散乱を起こす上で重要となる。レイリー散乱とは、光の波長より十分に小さい粒子による散乱で、空が青く見える原因となる。それに対して、ミー散乱とは、波長に対して十分に大きいサイズの粒子が起こす散乱で、雲などが白く見える原因となる⁵⁾。(図9,10)
7結論
快晴の空の写真のRGB値は、気温、日射量、太陽高度、水蒸気量、視程と95%以上の確率で相関を持ち、特に視程はRGB値の決定に強く影響を与えていると分かった。今後はエアロゾルと気象条件、快晴以外の組み合わせについて重回帰分析を用いて解析を行い、Instagramの投稿においての正確な予報の取得、投稿用の写真を得るために機械学習を用いて研究を行っていきたい。
謝辞
本研究にご支援くださった、日立市天気相談所 池田恵介様、国立研究開発法人情報通信研究機構 佐藤知紘先生に深謝致します。また、本研究は、一般財団法人WNI気象文化創造コンテストより助成を受けたものである。
参考文献
1) 最終更新2025年4月10日,日立市公式ウェブサイトhttps://www.city.hitachi.lg.jp/citypromotion/index.html(2025年4月10日現在)
2) 佐藤優空,長友陽奈,本多柚結,松﨑絢加,“Sky Shutter Assistant”,(2023)、第12回高校・高専気象観測機器コンテスト(9P)
https://www.wxbunka.com/cms/wp-content/uploads/2022/02/35.hitachidaiichi_sky-wizard.pdf(2025年4月10日現在)
3) 最終更新2025年4月10日,日立市天気相談所,https://tenki.city.hitachi.lg.jp/obs/contents/919 (2025年4月10日現在)
4) 最終更新2016年5月13日,natural science “光の波長からRGBを算出する関数の定義” https://www.natural-science.or.jp/article/20160513143413.php (2025年4月10日現在)
5) 最終更新2024年3月22日,有限会社テクノ・シナジーHP“レイリー散乱,ミー散乱”,http://www.techno-synergy.co.jp/opt_lectures/about_SColor07.html (2025年4月10日現在)
