日本地球惑星科学連合2025年大会

講演情報

[J] ポスター発表

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[O-11] 高校生ポスター発表

2025年5月25日(日) 13:45 〜 15:15 ポスター会場 (幕張メッセ国際展示場 7・8ホール)

コンビーナ:原 辰彦(建築研究所国際地震工学センター)、紺屋 恵子(海洋研究開発機構)、鈴木 智恵子(海洋研究開発機構)、中西 諒(国立研究開発法人産業技術総合研究所)


13:45 〜 15:15

[O11-P63] hscMapを利用した銀河の形の探究

*小檜山 蒼生1、東出 和樹1、小堀 秋1、鈴木 陽斗1、直井 翔真1、新井 真優1 (1.埼玉県立春日部高等学校)

キーワード:hscMap、銀河の形態変化

1 目的   

「ハッブルの音叉図」はアメリカの天文学者ハッブルが提唱した、銀河の形の違いによって分類した図のことである。ハッブルは当初、楕円銀河から渦巻銀河に進化していると考えたが近年この説は否定され、現在も研究が行われていることを知った。また、国立天文台が提供するサイトであるhscMapで銀河の形や大きさを測定できることを知った我々は、次に述べる観点から銀河の進化や形態の変化について調査を行った。

2 調べる観点

 ①  地球から(hscMapで)見える近傍の銀河団の銀河の形の割合

 ②  銀河の形は視野角10”から30”の間で進化の兆候がみられるか

 ③  銀河の大きさと距離の相関関係

 ④  楕円銀河、渦巻銀河の大小関係

3 調べる方法

 データの抽出方法としてこの研究の核となるのがすばる望遠鏡から観測された宇宙の画像を見ることができるhscMapである。hscMapでは銀河の視直径を測ることができるためその機能を使用する。hscMapで視野角30’という範囲を定め、その範囲内にある大きさが10″、30″前後の銀河をすべて抽出し国立天文台の定める銀河区分に従って楕円銀河、渦巻銀河、その他の銀河に分類した。またhscMapからSIMBADというサイトにアクセスし赤方偏移 z の値を求める。その値をハッブル・ルメートルの法則に定数を72としてあてはめ地球からの距離を計算した。

 ①、② 調べた結果を円グラフにまとめ確認する。

 ③ 分類が同じでサイズの異なる銀河の距離の中央値、平均値を算出し、比較する。

 ④ 分類の異なるサイズが同じ銀河の距離の中央値、平均値を算出し、比較する。

4 hscMap(https://hscmap.mtk.nao.ac.jp)とは

ハワイ島マウナケア山頂にあるすばる望遠鏡で撮影された宇宙の画像を見ることができるwebサイトである。

5 結果

 〈観点①と②の結果〉

抽出した銀河の総数は428個で、10“サイズの銀河は414個、30”サイズの銀河は14個であった。10”サイズの楕円銀河が239個、10”サイズの渦巻銀河が157個、不明が18個、30“サイズの楕円銀河が9個、30”サイズの渦巻銀河が5個みつかった。10”サイズの銀河の各分類ごとの割合は楕円銀河が57.7パーセント、渦巻銀河が37.9パーセント、不明が4.3パーセントだった。30”サイズの銀河の各分類ごとの割合は楕円銀河が64.3パーセント、渦巻銀河が35.7パーセントであった。

 〈観点③と④の結果〉

赤方偏移のついたデータの総数は163個であり、楕円銀河が93個、渦巻銀河が70個であった。楕円銀河の地球からの距離は10”の中央値が35.7億光年、平均値が38.1億光年。30”の中央値が15.0億光年、平均値が19.2億光年。渦巻銀河は10”の中央値が31.1億光年、平均値が34.4億光年。30”の中央値は8.88億光年、平均値は8.07億光年であった。

6 考察

 ① 10”から30”サイズの近傍の銀河団では楕円銀河の割合が多いことが分かった。

 ② 銀河の形の割合が10”サイズの銀河、30“サイズの銀河で変化がみられず、10”サイズの銀河と30“サイズの銀河の距離の差は20億光年のため、このことから20億光年の間では銀河に進化の兆候が見られないことがわかった。

 ③ 同じ分類の異なるサイズの銀河を比べると銀河の大きさと距離に負の相関関係があることがわかる。相関係数を求めると-0.38であった。

 ④ 異なる分類の同じサイズの銀河を比べると渦巻銀河よりも楕円銀河のほうが地球から遠い位置にあることがわかった。我々からは同じサイズに見えているため遠近の考えより楕円銀河のほうが渦巻銀河よりも大きいと考えられる。

参考文献

hscmap : https://hscmap.mtk.nao.ac.jp/ 安定版[2018]

岡村定矩.すべての人の天文学.日本評論社.2022.257p.

著/S.フィリップス.訳/福井康雄.

銀河 その構造と進化.日本評論社.2013.397p.